
初夏の岩手に、ゆっくり響く、馬の歩みと鈴の音。華やかな装束をまとった馬たちが新緑の道を進む「チャグチャグ馬コ」は、岩手県盛岡市の初夏を代表する伝統行事。
馬の歩みに合わせて鳴る「チャグチャグ」という鈴の音は、少しだけ心の呼吸を整えてくれるように感じられる、「日本の音風景100選」にも選ばれた初夏の盛岡の特別な“音”です。
音と共に初夏の岩手を彩る祭り

2026年6月13日、岩手県滝沢市と盛岡市で「チャグチャグ馬コ」が開催されます。
毎年6月第2土曜日に行われるこの伝統行事は、農作業で農民と苦労を共にしてきた馬たちを慰安するために受け継がれてきたものです。当日は、滝沢市の鬼越蒼前神社から盛岡市の盛岡八幡宮まで、華やかな装束をまとった約60頭の馬が、約14キロの道のりをゆっくりと行進します。
一行は朝、滝沢市の鬼越蒼前神社を出発し、およそ4時間をかけて馬の守護神が祀られる盛岡八幡宮を目指します。
耳に残るのが、馬たちが歩くたびに鳴る「チャグチャグ」という鈴の音。馬の首まわりなどに取り付けられた大小さまざまな鈴が、歩調に合わせて軽やかに響きます。

そして目を楽しませてくれるのは、馬たちの装束です。「小荷駄装束」と呼ばれる色鮮やかな布地、立派な結び紐、無数の鈴。晴れた初夏の光を受けて進む姿には、思わず足を止めて見入ってしまう華やかさがあります。馬の背には、伝統的な「あねっこ衣装」に身を包んだ子どもたちが乗ることも多く、どこか懐かしく、やさしい風景が見られます。
沿道に立つと、遠くから少しずつ鈴の音が近づいてきて、やがて色鮮やかな馬たちの列が目の前を通り過ぎていきます。急がず、騒がず、ただ歩く。風の匂いや、馬の足音や、沿道の人たちのまなざしまで含めて、ひとつの風景になる。そのゆったりとした時間も、この祭りの魅力です。
初夏の盛岡路で、ぜひこの「チャグチャグ」という音に耳を澄ませてみてください。
DATA
チャグチャグ馬コ
開催日時:2026年6月13日 9:30~13:55
開催地:鬼越蒼前神社(滝沢市鵜飼字外久保)~盛岡八幡宮(盛岡市八幡町13-1)




































