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伝統工芸を「見て」「作って」楽しむ! 東日本を巡る大人のための自由研究の旅

日本が誇るこけし、赤べこ、刀、織物、人形の伝統工芸の技に触れる旅の紹介です。その土地に伝わる歴史、継承される技術を学びながら、実際に制作体験ができる施設を巡る東日本の旅です。世界に一つだけの自分の作品を作りながら、その土地のグルメも楽しみたいですね。

仙台駅から出発、東北・北海道新幹線で郡山駅に向かい在来線に乗り換え会津若松駅へ、そして高速バスと在来線で北三条駅へ向かい、さらに新幹線と在来線で塩沢駅へ、最後に新幹線で大宮駅へと南下するルートです。時間帯によって新幹線や高速バス、そして在来線など最適な交通手段が異なるので、行程に合わせて行き方は変更しましょう。仙台駅から会津若松駅の乗り換え地点である郡山駅や、北三条駅へ向かう途中で降りる新潟駅、そして塩沢駅までに乗り換える長岡駅でそれぞれの町を散策することもできるので、地元グルメを楽しんだり観光スポットに立ち寄ってみてもいいですね。

宮城の伝統工芸品・こけしの絵付け体験ができる仙台市「玩愚庵 こけし屋」

仙台市は人口100万人以上を有する大都市でありながら、自然と調和した「杜の都」としても知られています。市内を流れる広瀬川、そして定禅寺通のケヤキ並木といった美しい自然も魅力で、市内中心部も緑にあふれ、木々が生い茂る通りや公園がたくさんあるのが特徴です。また牛たんや郷土スイーツのずんだなど、ご当地グルメでも知られています。そんな仙台の名物の一つとなっているのが「こけし」です。東北固有の伝統工芸品であるこけしは、江戸末期ごろ、東北地方の温泉地において子供へのみやげ品として生まれたものと伝えられています。

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玩愚庵(がんぐあん) こけし屋
 宮城県内には「鳴子こけし」「遠刈田(とおがった)こけし」「弥治郎こけし」「作並こけし」の4系統があります。伝統こけしの魅力は、もっとも簡略化された造形美に加え清楚で可憐な姿にあるといわれ、独特の形、模様を通して今日に受け継がれています。この中の「作並系仙台こけし」(写真)の絵付け体験(1,000円)ができるのが「玩愚庵 こけし屋」です。通常のサイズのこけし(15~18cm)か、小さくかわいいミニサイズのこけし(6~7cm)のどちらかを選び、工房の方から説明を受けて絵付けをし、自分だけのオリジナルこけしが作れます。所要時間は約60分で、当日持ち帰ることができます。

DATA

住所:宮城県仙台市太白区秋保町湯元字上原54-20
玩愚庵 こけし屋

会津を代表する民芸品・赤べこの絵付け体験ができる会津若松市「手作り体験ひろば 番匠」

鶴ヶ城や白虎隊に代表される歴史・伝統・文化が今に息づく会津若松市。磐梯山や猪苗代湖など豊かな自然に囲まれ、歴史を感じさせる老舗の商店や蔵、歴代藩主が愛した風情ある御薬園(庭園)など名所・旧跡も多いのが特徴です。また、竹久夢二や与謝野晶子に愛された名湯・東山温泉と芦ノ牧温泉の2つの温泉があり、国の伝統的工芸品に指定されている会津漆器や清酒などの伝統産業も盛んです。なかでも木型に和紙を貼り、型抜きしたものに強度を持たせるために下塗りをして、黒や白で絵付けした張り子人形「赤べこ」(写真)は、「幸運を運ぶ牛」として今でも多くの人に親しまれています。

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手作り体験ひろば 番匠
 福島県会津若松市の郷土玩具「赤べこ」。古くは厄除けのお守りや縁起物として、丸みを帯びたフォルムと首がゆらゆらと揺れる動きが特徴となっています。この赤べこを実際に製造している「手作り体験ひろば 番匠(ばんしょう)」(写真)では、赤べこの絵付けが体験(900円、3月からは970円)できます。特におすすめなのが、会津の人気キャラクター「あかべぇ」の土鈴の絵付体験(1,200円)です。館内ではさまざまな赤べこのグッズも直売しています。所要時間は約60分で、当日持ち帰ることができます。

DATA

住所:福島県会津若松市和田一丁目6-3
手作り体験ひろば 番匠

古くから伝わる鍛冶職人の技を体験できる三条市「三条鍛冶道場」

新潟県のほぼ中央に位置している三条市。市街地から車で40分ほどのところには、八木ヶ鼻(やぎがはな)温泉など自然を楽しみながら入浴できる市内の日帰り温泉が、同じく車で3040分ほど行けば日本海に沈む鮮やかな夕日を望むこともできます。また三条市は「ものづくりのまち」としても知られ、金属製品製造業を中心とした中小企業の集積地となっています。その産業の基礎となった鍛冶の技術(写真は和釘づくり)は、現在も広く地域に根づいています。

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三条鍛冶道場
 三条市の「ものづくり」の歴史は古く、江戸時代初期、代官所が水害に苦しむ農民を救済するため、副業として和釘作りを奨励したのが始まりとされています。三条城が廃城され城跡で物流が栄えると、各地との交流から包丁、小刀、土農具、大工道具などの打ち刃物や、和釘、錠前などの建築金物を生業とする鍛冶職人が活躍の場を広げていきました。現在においても、職人たちの技術は国内外から高い評価を得ています。「三条鍛冶道場」(写真)では、和釘づくり(大人1人あたり500円)、ペーパーナイフづくり(大人1人あたり1,000円)、包丁研ぎ(大人1人あたり300円)のものづくり体験ができます。所要時間は約45~60分で、当日持ち帰ることができます。

DATA

住所:新潟県三条市元町11-53
三条鍛冶道場

奈良時代から継承される織物体験を! 南魚沼市「塩沢つむぎ記念館」

「日本一」の評価を受ける南魚沼産コシヒカリの産地で、日本有数のスキー観光地として知られている南魚沼市。市内にはいくつも温泉や銭湯があり、源泉かけ流しの六日町温泉をはじめ、五十沢(いかざわ)温泉や浦佐温泉など、市内各所に温泉が点在しています。また市内の塩沢地域は、織物の産地でその歴史は古く、1,200年前の奈良時代、天平年間に織られた塩沢の麻布が正倉院(奈良県)に保管されています。この麻織物(越後上布)の技術を絹織物に取り入れたものが塩沢紬で、176471年(明和年間)のころに創られたと伝えられています。写真は伝統的な塩沢紬の工程の一部である機織り体験の様子です。

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塩沢つむぎ記念館
 雪と民話の国奥越後に悠久千年の昔より伝わる「塩沢の織物」の、伝統技術とその文化の魅力を一堂に公開している「塩沢つむぎ記念館」(写真)。「塩沢の織物」ができるまでの工程などの展示、資料室が公開されているほか、実際に機織り体験もできます。手織り体験(3cmまで800円、所要時間約15分)、綴織り体験(3cmまで2,000円、所要時間約40分)、裂織り体験(3cmまで2,500円、所要時間約20分)ほか、さまざまな織物体験ができます。季節に合わせて「繭びな人形作り体験」(2~3月ごろ)、「手織り体験コンテスト 春の陣」(3~5月ごろ)のイベントも開催されます。

DATA

住所:南魚沼市塩沢1227番地14
塩沢つむぎ記念館

日本初の人形専門公立博物館! さいたま市「岩槻人形博物館」「にぎわい交流館いわつき」

東京から2040km圏内という都会としての側面と、見沼田んぼや荒川河川敷などの豊かな自然のある昔ながらの街という側面を持つさいたま市は、関東平野のほぼ中央に位置しています。地形的には山地や丘陵がほぼないというのが大きな特徴で、気候は1年を通して穏やかです。さいたま市の東部に位置する岩槻は、徳川家の譜代大名が治める岩槻藩の城下町として、また、江戸と日光東照宮を繋ぐ日光御成道の宿場町として栄えました。岩槻城の城跡に整備された岩槻城址公園、岩槻藩の藩校「遷喬館」、城下に時を告げた「時の鐘」など様々な史跡が点在しています。また、岩槻は職人の町としても知られています。雛人形をはじめとする衣裳着人形や木目込人形、だるま、組紐、神棚などの手工芸品が製作され、なかでも、人形は高度経済成長期に日本有数の産地に成長し、岩槻の名を全国に知らしめました。現在でも、町を歩くと人形店や工房の看板が目に留まり、「人形のまち」の風情が感じられます。写真は岩槻人形博物館で開催されているワークショップの様子です。

さいたま市の伝統工芸ならココへ!
岩槻人形博物館・にぎわい交流館いわつき
 「岩槻人形博物館」では、桐塑と呼ばれる江戸時代に生まれた人形の伝統的な製作技法について紹介しており、実際に岩槻の職人が使っていた道具や材料を通じて、人形製作の工程を知ることができます。また、江戸時代に作られた雛人形や御所人形など、さまざまな種類の人形が5,000点以上所蔵されており、その一部が常設展示されています。写真は展示されている「御殿玩具 犬」です。人形は定期的に展示替えされているので、訪れるたび、違う人形を見ることができます。さらに、企画展や特別展も開催され、関連講座やワークショップも開催されています。また、同一敷地内にある「にぎわい交流館いわつき」でも、さまざまな体験講座も開催されています。

DATA

住所:埼玉県さいたま市岩槻区本町6丁目1-1
岩槻人形博物館
住所:埼玉県さいたま市岩槻区本町6丁目1番2号
にぎわい交流館いわつき

日本古来から伝わる伝統工芸を体験する、自由研究の旅

日本を代表するそれぞれの伝統工芸。歴史や、制作工程を見られるのも旅行の醍醐味です。現在でも継承しているその土地で、実際に自分だけの作品を作ってみられる貴重な旅、
大人の自由研究を楽しんでみてください。

※記事内の価格はすべて税込です。販売価格は予告なく変更される場合があります。

旅行などでお越しの際には、居住地並びに行先の地域の自治体が求める要請内容、国の新型コロナウイルス感染症対策サイト等を必ずご確認ください。
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