意外な名物から興味深い観光スポットまで、東日本にはまだ知られていない魅力がたくさん。実際につなぐ旅編集部が東日本の市町村を訪れて、「ワクワクする」シーンを体験レポートします。記念すべき第1回目は、新潟県魚沼市。「グルメ編」と「観光編」に分けてご紹介します。(観光編はこちらから)
地元の愛されグルメを食べに行ってきましたよ!
コシヒカリだけじゃない!魚沼のソウルフード「生モツ」
魚沼グルメの代表といえばコシヒカリですが、実はもう一つ、街の人に長年愛される意外なグルメがあります。それが「生モツ」。生モツとはいわゆる「モツ焼き」のこと。通常のモツ焼きではボイルした豚モツが使われていますが、魚沼では「生」の豚モツを網の上で焼き上げて食べるんです。これが、生なのにくさみが全然なくてジューシーで、本当に驚きました。美味しかったのでぜひ食べてほしい!!
生モツが食べられるようになったきっかけは「ダム建設労働者」
もともと魚沼市には食肉加工場があり、新鮮な肉やモツが手に入りやすい環境でした。そんな中、魚沼市と福島県にまたがる奥只見ダム建設工事が始まります。新鮮で安価な生モツを食べるとスタミナがつく、ということで建設現場の人たちが好んで食べるようになり、やがて市内に広まっていったと考えられています。その流れ、すごくイメージできる!
地元の人から愛される生モツの名店
そんな生モツを求めて足を運んだのは、小出駅から徒歩15分ほどのところにあるモツ焼き店「やまに」。開店の17時に合わせて訪れましたが、店の前にはすでにお客さんが並んでいて、人気店なことが伺えます。
「やまに」は今年で創業58年を迎え、今は3代目の佐藤良輔さんがお店を切り盛りしています。こちらの豚モツは、朝どれのモツを昼に下処理して夜に提供する、という超絶スピードで新鮮さをキープ。下処理には時間がかかりますが、丁寧な手仕事で脂をほどよく残したモツが味わえるとのことで、私もさっそくオーダー!
こちらの「ホルモン」は豚の大腸、小腸、ガツ(胃)、直腸の盛り合わせ。たっぷり入っているのにお値段が380円で驚きました。や、安すぎない…?
生モツは初めてでしたが、くさみが全然なくて思ったよりも脂があっさり。プリプリとした食感ですごく美味しい! ニンニクが効いた甘辛いタレとの相性も抜群で、ビールが進みます。こりゃ最高だ! いくらでも飲めるぞ!
生モツは、週末になると各家庭でバーベキュー感覚で楽しまれているものだそう。佐藤さん曰く「体感的にはここ10年くらいで市外・県外からも生モツを食べに来てくれる人が増えたような気がしますね」とのことでした。
この日来ていたお客さんの一人は「神奈川から出張に来た同僚に、『ホルモン』を食べてもらいたくて連れてきたんですよ。ここの生モツが一番美味しいと思う」と話してくれました。同僚の方も「こんなに美味しいと思わなかった!」と驚きの表情。こうして何年もかけて生モツの美味しさがじわじわと魚沼市外に広まっていったんですね。
モツと双璧をなす人気メニュー「おにぎり」
こちらで人気のメニューがもう一つあります。それは「おにぎり」! 佐藤さんのお母さまが始めたメニューだそうで、魚沼産コシヒカリをやわらかく握ったふんわり系おにぎりです。
一番人気の「すじこ」をいただいたところ、少し固めに炊かれたごはんの中から、これでもか!というほどすじこがたっぷり! おにぎりは男性のこぶしくらいありそうなサイズ感ですが、ふわっとやわらかく握られているので余裕で完食しました。
神奈川から同僚を連れてきたというお客さんも、「すじこのおにぎりがおすすめ」と話していたので、地元の人からも絶大な人気を集めている具材です。
DATA
ホルモン焼 やまに
住所:新潟県魚沼市小出島124-26
アクセス:小出駅から徒歩15分
HP:https://www.shokumachi-uonuma.jp/shopnavi/6168/
地元の人から愛されている生モツ、わざわざ足を運んで食べる価値アリの最高グルメでした。魚沼グルメといえばコシヒカリ、という印象の人も少なくないと思いますが、意外な食文化に触れられたうえに絶品なので、ぜひ食べてほしい! 美味しすぎて、ご飯もお酒も止まらなくなりますよ。
旅といえば!の観光編はこちらから読んでみてくださいね→(魚沼の旅─観光編─はこちら)