
甲冑は、重かった。
戦国時代にタイムスリップする、と聞いてピンとくる人はどれくらいいるでしょうか。福井県福井市には、それを本気で叶えてくれる場所がありました。


つなぐ旅編集部が実際に東日本の市町村を訪れて、「ワクワクする」シーンを体験レポート。今回は福井県福井市の旅の様子をお届けします!

“日本のポンぺイ”の入り口、一乗谷朝倉氏遺跡博物館

福井市には“日本のポンぺイ”と呼ばれる遺跡があるんです。すごくないですか。
福井駅から1両編成のJR越美北線に乗って約18分、一乗谷駅で降りて、そこから徒歩約4分、一乗谷朝倉氏遺跡博物館に到着しました。降りてまず目の前に広がる山と田んぼの緑のグラデーションに感動。
一乗谷朝倉氏遺跡は、戦国大名・朝倉氏の城下町がまるごと遺跡として残る、全国的にも珍しいスポットです。約278ヘクタールが国の特別史跡に指定され、遺跡内の4つの庭園は特別名勝。いわば“国宝級”の価値を持つ場所です。
半世紀以上にわたる発掘調査で見つかった生活道具等は約170万点に上り、ここ一乗谷朝倉氏遺跡博物館では、国指定重要文化財を含む約800点の出土資料が見られるんです。
目玉は、遺構展示室にある「石敷遺構」。薄暗い展示室に入った瞬間、目前に巨大な川底のような遺構が広がり、「すごい!」と思わず声が出ました。
この石敷遺構は、川につながる船着き場や道路、または品物の荷揚げ場であったと考えられており、水運で栄えた一乗谷の繁栄を物語っています。

30分の1スケールで城下町を再現したジオラマも圧巻です。


さらなる見どころは、5代当主・朝倉義景が暮らした「朝倉館」のうち、将軍を迎えて宴など重要な催しを行なっていた「会所(かいしょ)」と呼ばれる部屋の原寸再現展示です。


会所から中庭を見ると、花壇を囲むのは、雨に濡れると青色に変わるという美しい「笏谷石(しゃくだにいし)」なのですが、会所から見えない向こう側に使われているのは普通の石なのです。
DATA
一乗谷朝倉氏遺跡博物館
住所:福井県福井市城戸ノ内町
HP:https://asakura-museum.pref.fukui.lg.jp/
アクセス:福井駅からバスで約20〜30分
「復原町並」で戦国武将になる
博物館で予習した後は路線バスに乗って約5分、200mにわたって当時の町並みが復原されている朝倉氏遺跡の見どころ「復原町並」に向かいます。

こちらではなんと500円で、鎧武者、お姫様、殿様などの戦国衣装着付け体験ができます。最初はお姫様がいいなあと思ってたのですが、甲冑を着る機会なんて今後もう一生ないだろうと思い、鎧武者にしました。


正直、被るだけの軽い体験だと思っていたら、想像よりずっと本格的。紐の結び方ひとつにも作法があり、丁寧に着せてもらいました。着用後は15分を目安に自由散策できます。重くて暑くて、私は5分が限界でした。建物は室町時代の様式を復原しているため、冷暖房はありません。真夏と真冬はご覚悟を。

暑くてのどがカラカラだったので、復原町並敷地内の休憩処に駆け込み、「いっぷく茶・お茶菓子(朝倉御門)セット」(600円)をいただきました。使われていたお茶碗は、この地で出土した抹茶碗をもとにしたレプリカだそうです。

冷たいお抹茶で涼を取れたので、本丸ともいえる「朝倉館跡」に入ります。



案内図を見ながらここが主殿でここが台所で……と想像を膨らませます。感動したのは「会所」です。花壇とセットなのでわかりやすい。ぜひ博物館で見てから来ることをおすすめします。
ESHIKOTOで、日本酒に開眼する
もう1ヵ所、気になっていたのが、黒龍酒造を運営する黒龍グループが手がける福井の食・文化・自然を発信する複合施設「ESHIKOTO」です。日本酒にそれほど詳しくない私が昔から飲んでる「黒龍」って福井のお酒だったのか。
福井駅からローカル線・えちぜん鉄道に乗って約25分、「永平寺口」で降りて、そこからはタクシーで5分ほど。



山々と九頭竜川を望む「ESHIKOTO」には黒龍酒造の直営店・石田屋ESHIKOTO店のほかベーカリーやお蕎麦屋さんも入ってます。とにかく眺めがいい! 癒される。

この素晴らしいロケーションで、日本酒の飲み比べができるんです。「ESHIKOTO 五百万石 純米大吟醸」と「ESHIKOTO 五百万石 特別純米」を飲み比べるセットA(45ml、1500円)、「黒龍 大吟醸」と「九頭龍 大吟醸」を飲み比べるセットB(45ml、1000円)の2種類あるのですが、選べず、両方いただいちゃいました。

黒龍酒造で使われる仕込み水は、九頭竜川の伏流水を地下75メートルから汲み上げたものだそうです。大吟醸は醸造アルコールを加えているぶん香りが華やかに立ちやすく、純米大吟醸は米と米麹、水だけで作られているぶん、すっきりとした味わいが際立つのだそう。そんな日本酒についての話をお店の方から聞きながら、ぐびぐび飲んでしまいました。
お土産には、こちらの店舗でしか手に入らない「五百万石」のお安いほうを購入。ブルーのボトルがきれいで、しっかりお米の味を感じるけど飲みやすい日本酒でした。

DATA
石田屋 ESHIKOTO店
住所:福井県吉田郡永平寺町下浄法寺第12-17
HP:https://eshikoto.com/ishidaya/
アクセス:福井駅から電車とタクシーで約33分
福井のソウルフード「ソースカツ丼」
福井の鉄板グルメといえばソースカツ丼です。スーパーの惣菜コーナーにも並ぶほど県民のソウルフードになっています。元祖といえばヨーロッパ軒総本店ですが、地元の方に「カツ丼の肉の質はここよりいいものを見たことがありません」と教えてもらったのが、福井駅東口から徒歩約10分の「そば処 まる八」です。

店内は地元の方で賑わっていました。昼休みにお昼を食べにきたふうの男性グループも。
注文は迷わず、丼と麺のセット「カツ丼とおろしそば」(1150円)一択。

福井のソースカツ丼は薄いのが特徴だそうです。その中でこちらのカツは厚めとのことですが、東京のカツ丼を食べ慣れていると、薄くて食べやすい。カツはうわさどおり柔らかく、ご飯にもソースがしみていておいしい。
そしてビックリしたのがおろしそば。大根おろしが別添えで、最初にドバッとそばにかけて食べるのが福井流なんですって。ソースカツ丼とおろしそばの組み合わせ、クセになりそう。
DATA
そば処 まる八
住所:福井県福井市御幸1-1-9
アクセス:福井駅から徒歩約10分
羽二重餅と「手かき氷」で堪能する福井の涼菓

福井の銘菓といえば「羽二重餅」です。原料はもち粉、砂糖、水飴で、求肥(ぎゅうひ)に似てますが、見るからにきめ細かくて柔らかそう。福井のさまざまなメーカーから出ていますが、かき氷が食べられる「松岡軒」に行きました。福井駅西口から徒歩約14分です。
マスカルポーネ生いちごに惹かれつつ、「羽二重宇治金時」(1100円)をオーダー。

こちらのかき氷は、カンナを使って手作業で削ってるんです。氷の粒が大きく、ザクザクガリガリの歯ごたえが新鮮。

お土産にはもちろん「羽二重餅」(6袋入り、970円)を購入。薄くて甘くて口の中で溶けました。瞬殺だったので、もっと買ってくればよかった。かき氷と一緒に食べた羽二重餅はギュッと固い食感で、それもよかったです。

DATA
羽二重餅総本舗 松岡軒
住所:福井県福井市中央3-5-19
HP:https://habutae.com/
アクセス:福井駅から徒歩約14分
駅で買えるお土産の定番「焼き鯖寿司」
福井はおいしいものが多すぎて、新幹線に乗る直前までお土産を探して駅ビル「くるふ福井駅」内を走り回っていました。買うと決めていたのは「焼き鯖寿司」。焼き鯖の押し寿司で、大葉やガリが入っているのが特徴です。
たまたま手に取ったのが、焼き鯖寿司の生みの親といわれる「若廣」のものでした。限定に弱くて、梅肉入りを購入。消費期限は製造日を含む3日間。


梅味はほんのりだったので、ほぼ定番の「焼き鯖すし」を味わえたのではないでしょうか。そのまま食べてもおいしかったですが、醤油をちょっぴりつけても好みでした。
戦国武将になりきり、日本酒に酔いしれ、ソースカツ丼と羽二重餅に舌鼓。家に帰ってからも焼き鯖すしで福井を思い出す。なんとも盛りだくさんで贅沢な旅でした。





































