大宮に盆栽村が誕生したのは大正14年(1925年)と言われており、2025年の今年は、開村100周年にあたります。今回はそんな大宮で盆栽の魅力に触れる旅を、アイドルグループ・=LOVEのメンバーで、埼玉県出身の大場花菜さんと共にお届けします。
知らなかった! 日本で唯一『盆栽』の名前を冠する100年の歴史を持つ町の魅力
盆栽村は、昭和15年(1940年)に旧大宮市に編入されてからは、『盆栽町』と言う町名に生まれ変わりましたが、現在も、清香園、芙蓉園、九霞園、蔓青園、藤樹園、松濤園などの盆栽園が点在し、日本で唯一、「盆栽」という言葉が地名に入っている、さいたま市北区に位置するエリアです。近隣には、世界で初めての公立の「盆栽美術館」である、さいたま市大宮盆栽美術館もあります。
そんな盆栽村で盆栽の魅力に触れるべく、大宮を訪れた大場花菜さん。
「大宮が盆栽で有名なことはテレビの情報などで知ってはいましたが、『盆栽』が町の名前にまでなっていることは今回、初めて知りました。地名に入っているというだけで、どんな盆栽が見られるんだろうとワクワクしちゃいますね!」
「盆栽を間近で見るのは初めて」と話す大場さん。まずは、盆栽好きのマニアから初心者に至るまで、誰にでも気軽に盆栽の魅力を堪能できる『さいたま市大宮盆栽美術館』を訪れ、盆栽の基礎を教えてもらうことに。
ここでは、大宮盆栽美術館学芸員・田口文哉さんから、室内展示を例に盆栽の鑑賞の仕方や楽しみ方、さらには盆栽村の歴史に至るまで解説をしていただきながら館内を見学。
「今まで盆栽に触れる機会がなかったのですが、実際に間近で本物を見ると、その存在にとても癒されるものなんだなと感じますね。特に大宮盆栽美術館に展示されている盆栽はどれも立派で、その貫禄に圧倒されます。室内の展示は盆栽だけでなく、掛け軸や添えも美しいですね」
盆栽村誕生の歴史を紐解くと、かつての東京・団子坂(文京区千駄木)に行き着きます。団子坂の周辺には、江戸の大名屋敷などの庭造りをしていた植木職人が多く住んでおり、明治になってからは盆栽専門の職人も生まれました。ところが、1923年(大正12年)に関東大震災が起こり、大きな被害を受けた団子坂の盆栽業者たちは東京を離れ、盆栽育成に適した土壌を求めて大宮の地へ移り住みました。1925年(大正14年)年には彼らの自治共同体として大宮盆栽村が生まれ、最盛期の1935年(昭和10年)頃には盆栽園が約30もありました。大宮盆栽村は、いまも名品盆栽を多く育てている地として知られ、日本だけでなく世界中から多くの愛好家が訪れる盆栽の聖地となっています。
そんな大宮盆栽美術館では、現在、大宮盆栽村の開村100周年を記念し、盆栽村の歴史を振り返る特別展「緑のフロンティア―大宮盆栽村100年―」を開催中[~12月10日(水)]。
この展覧会では、地図や古写真など村の景観の移り変わりがわかるビジュアル資料に加え、盆栽村の開拓に尽力した盆栽園の第一世代の歩みを物語る資料や、盆栽作りの技術を伝える資料などが展示されています。また、現在の盆栽村の盆栽園から各園を代表する名品盆栽を1週間ずつ交代で展示し、各園それぞれの特徴や魅力とともに紹介しています。
土地の開拓に加え、観光開発、技術の開発など、盆栽を中心に据えた飽くなきフロンティア精神によって培われてきた盆栽村の歴史、100年目の節目を迎えた大宮盆栽村の魅力を楽しむことができます。
大場さんもこうした盆栽村の歩みを知り、ますます盆栽に興味津々の様子。
室内展示を堪能したあとは、大宮盆栽美術館のもうひとつの見どころ、盆栽庭園へ。
庭園には常時約60点の盆栽が展示されており、これも季節によって展示が入れ替わり、四季折々で違う盆栽の姿を楽しむことができます。盆栽を360度すべての方向から見られる場所もあるので、盆栽を、正面からだけでなく、背後から見られるのも特徴です。
「盆栽に表と裏があることや、三角形を基本として枝や葉の角度を設計している緻密さに感動しました。そして、これも盆栽の魅力の一つだと思うのですが、しゃがんで下から見上げると、自分がまるで小人になったような感覚になれるのがすごいですね!」
庭園内には東屋も用意され、くつろぎながら盆栽を眺めて時間の経過を楽しんだり、庭園の盆栽を一望できる本館2階の盆栽テラスやロビーからなど、あらゆる角度から心ゆくまで盆栽空間を楽しめるのも、この美術館の魅力です。
さいたま市大宮盆栽美術館
住所:埼玉県さいたま市北区土呂町2-24-3
URL:https://www.bonsai-art-museum.jp/ja/
「埼玉にこんなに気軽に自然で癒される場所があるなんて、知りませんでした!」
盆栽を間近に見て、その魅力をしっかり堪能した大場さん。
「初めて大宮盆栽美術館を訪れましたが、多くの方、特に外国人の方も訪れていたのを見て、日本の伝統的な文化を世界に発信する場所が、私の出身地・埼玉にあるんだなって思うと、少し誇らしくなりました。盆栽の楽しみ方や魅力はいろいろあると思いますが、ほかの方はどう感じて、どういう楽しみ方をするのか気になりますね。今度は家族で訪れて、みんなの感想を聞いてみたいです」
大場さんの大宮盆栽村開村100周年・魅力発見の旅、たくさんの発見がありました。
【大宮盆栽村100周年イベント情報】 心もお腹も癒やされまくるおすすめイベント3選
ここで、大宮盆栽村の開村100周年を記念したイベント情報をお知らせします!
台湾夜市のような会場で盆栽を眺めながらグルメを味わえちゃう「盆栽夜市」
令和7年11月14日(金)~16日(日)の3日間、鐘塚公園で大宮盆栽村の開村100周年を記念し、「盆栽夜市」が開催されます。「盆栽夜市」は、台湾の夜市をイメージしたグルメイベント。しかも、鐘塚公園の円形広場では盆栽の展示も行われ、風情を感じながらお腹も満たせちゃう極上のイベントになっています。
DATA
盆栽夜市
日時:令和7年11月14日(金)~16日(日)
場所:鐘塚公園
URL:https://www.city.saitama.lg.jp/004/001/001/p124782.html
境内が幻想的な光のステージに! 武蔵一宮氷川神社プロジェクションマッピング「時結びの杜」
令和7年11月8日(土)から24日(月・休日)まで、大宮盆栽村開村100周年を記念する特別なライトアップイベント「時結びの杜」が武蔵一宮氷川神社で開催されます。武蔵一宮氷川神社では初となるプロジェクションマッピングを楼門等に投影し、二の鳥居や三の鳥居も美しくライトアップ。大宮の歴史と伝統をテーマに、普段は立ち入れない夜の神聖な境内を、非日常的な光の演出で観覧できます!過去と未来を結ぶ幻想的な物語を、ぜひこの機会に!
DATA
武蔵一宮氷川神社プロジェクションマッピング「時結びの杜」
日時:令和7年11月8日(土)~24日(月・休日)
場所:武蔵一宮氷川神社
URL:https://www.symunity.co.jp/event/bonsai_hikawa_mapping2025/
いつもとは違う顔の美術館が見られる 大宮盆栽美術館夜間特別開館ライトアップ「BONSAI CANVAS」
この記事でもご紹介した大宮盆栽美術館では、令和7年11月8(土)日より、大宮盆栽村100周年を記念した夜間特別開館ライトアップイベント「BONSAI CANVAS」を開催。美術館をキャンバスに見立て、幻想的なライトアップや学生とのコラボ作品の展示、飲食コーナーなど、趣向を凝らした企画が満載です。夜の庭園での新たなアート体験、写真映えも抜群で、盆栽ファンはもちろん、初めてこの美術館を訪れるという方も楽しめること間違いなしのイベントです!
DATA
大宮盆栽美術館夜間特別開館ライトアップ「BONSAI CANVAS」
日時:令和7年11月8日、9日、14日~16日、21日~24日
場所:さいたま市大宮盆栽美術館
URL:https://www.bonsai-art-museum.jp/ja/event/event-11095/
このほかにも、11月は大宮盆栽村100周年記念イベントが目白押し。詳細はさいたま市のHPをチェック!
- ★開催日の記載は掲載日によって変更になります。
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