3月末に開幕するプロ野球などで使用される木製バットの生産量日本一である富山県南砺市。世界遺産「五箇山の合掌造り集落」に代表されるような日本の原風景が今も残る街に春が訪れるのは、日本有数の豪雪地帯でもある五箇山の雪が解け始める例年3月下旬です。
市内北部に位置する井口(いのくち)地域の花として親しまれているツバキを愛でる恒例イベントの開催に始まり、4月になると市内のどの地域でも桜が咲き始める南砺市。今回は、第33回を迎える「いのくち椿まつり」のほか、市内の桜の名所である「ふくみつ千本桜」「向野のエドヒガン」「桜ヶ池公園」(写真)をご紹介します。
貴重な原種椿などが見られる恒例イベント
いのくち椿まつり
南砺市に春を告げる風物詩として1990年から続くイベントが、「いのくち椿まつり」です。市民ら椿愛好家による鉢植えが展示されるほか、100種以上の原種椿や貴重な品種が見られ、例年多くの人でにぎわいます。今年は、3月18日(土曜)~20日(月曜)の3日間、椿の研究と保存を目的として開館した、いのくち椿館で開催されます。入場無料。
DATA
住所:富山県南砺市宮後188 井口カイニョと椿の森公園 いのくち椿館
電話:0763-64-2290(いのくち椿まつり実行委員会)
いのくち椿まつり
立山連峰とのコラボやライトアップも楽しめる約1.5㎞の桜並木
ふくみつ千本桜
例年4月上旬~中旬にかけて、福光町の中心部を流れる小矢部川の両岸約1.5㎞に見事な桜並木をつくるのが、小矢部川公園千本桜(通称「ふくみつ千本桜」)です。福光橋の近辺を中心に約700本の桜が川沿いに咲き、遠くに見える立山連峰との美しい共演も楽しめます。桜の開花時期の夜間にはライトアップも行われ、幻想的な夜桜を堪能できます。
DATA
住所:富山県南砺市福光(小矢部川公園)ほか
電話:0763-62-1201(南砺市観光協会)
ふくみつ千本桜
立ち姿が美しい北陸エリア屈指の一本桜はライトアップも実施
向野のエドヒガン
山田川の東岸に自生している樹齢100年を超える名物桜が、「向野のエドヒガン」です。残雪の袴腰山を望むのどかな田園風景のなかでひと際目を引く一本桜は、市内で発見されたエドヒガンザクラの一種、江戸彼岸(向野)で紅色の花色が特徴。あぜ道を通れば目の前まで近づくこともでき、見ごろとなる例年4月上旬~中旬には、多くのカメラマンが訪れます。
DATA
住所:富山県南砺市中尾
電話:0763-23-2017(南砺市林政課)
向野のエドヒガン
湖の周囲に咲く約1000本の桜のなかには珍しい桜も!
桜ヶ池公園
外周約3kmの人造湖のまわりなどに約1000本の桜が咲く名所が、「桜ヶ池公園」です。例年4月上旬~下旬に見ごろを迎える桜のなかには、自生するキンキマメザクラなど珍しい種類も見られます。また、池に隣接するハイウェイオアシスにある南砺市クリエイタープラザ脇には、「サクラクエスト」というアニメをきっかけに始まった桜の保全活動「桜ヶ池クエスト」の中で植えられた桜の木「はじまりの木」も。
DATA
住所:富山県南砺市立野原東1771
電話:0763-23-2022(南砺市建設維持課)
桜ヶ池公園
プロ野球選手のバット約500本が展示された「南砺バットミュージアム」のほか、利賀そばや干し柿、五箇山の堅豆腐などのご当地グルメもそろう南砺市。桜や椿を愛でた後は、こちらも満喫してみては?