石川啄木や宮沢賢治が青春時代を過ごした街として知られる岩手県盛岡市。その二人を紹介する「もりおか啄木・賢治青春館」が入る旧第九十国立銀行本店本館や岩手銀行赤レンガ館など、明治期に建てられた洋館が今も残り、日本100名城の一つに数えられる盛岡城の城跡公園が市民の憩いの場となっている市内は、歴史と文化が生み出す魅力にあふれています。
今年1月には、全世界の都市を対象にしたニューヨーク・タイムズ紙の「2023年に行くべき52ヵ所」に、日本から福岡市とともに選出された盛岡市。紙面では「歩いて回れる宝石的スポット」と評価された街ですが、市内中心部から車で少し行けば、さらにおもしろいスポットもあります。今回は、リニューアルオープンにより工夫を凝らした展示方法が好評の「盛岡市動物公園ZOOMO(ズーモ)」(写真)、初心者でも手軽に登山を楽しめる「姫神山」という、夏遊びにもおすすめの2スポットをご紹介します。
動物をより間近で観られるようになったと話題の動物公園
盛岡市動物公園ZOOMO(ズーモ)
今春リニューアルオープンし、動物をより間近で観られるようになった「盛岡市動物公園ZOOMO」。ガラス展示になって迫力が増したライオンの展示や、来園者がカンガルーと同じ空間に入れるカンガルーヒルなどが話題になっています。自然の地形を生かした広大な園内には、日本の動物が暮らす里山エリア、アフリカの動物を展示するサバンナエリア、家畜と人間の関係を伝える牧場エリアなどがあり、ビクトリアエリアではほかの施設ではあまり見られないカナダカワウソやピューマ、オオツノヒツジを展示。展示動物を見るためのコース・ZOO LOOP(ズーループ)のほか、自然観察やトレッキングを楽しむためのコース・NATURE LOOP(ネイチャーループ)もあります。また、動物公園が森に囲まれ、園内にも林が残っているので、野生のニホンカモシカや、ホンドギツネなどが暮らしていて、さらに昆虫観察も楽しむことができます。今夏は、飼育スタッフの解説付きで観られる食事観察のほか、昆虫採集に特化したイベントも随時開催予定。入園料は高校生以上1000円ほか。
DATA
住所:岩手県盛岡市新庄下八木田60-18
電話:019-654-8266
https://zoomo.co.jp/
岩手三山の一つに数えられる小さな山はお手軽登山にぴったり!
姫神山
外山早坂高原県立自然公園内にあり、豊かな自然を眺めながら気楽にのんびり登山を楽しめるのが「姫神山」です。昔話では男性的な岩手山と女性的な姫神山とが夫婦だったとも伝えられる標高1123.8mの山は、子どもからお年寄りまで誰もが登れる山として親しまれています。所要時間約70分~120分の登山道が全4コースあり、山頂まで約90分で行ける一番人気の一本杉コースでは、登山道脇に高山植物を眺めながら樹齢300年といわれる杉の古木や山頂を覆う巨石群などを見ることができます。小さな山ながら、岩手山、早池峰山などの山々や北上川を一望する大パノラマが広がる山頂からの絶景は感動必至。
DATA
住所:岩手県盛岡市玉山大平
電話:019-683-3852(盛岡市玉山総合事務所産業振興課)
https://www.city.morioka.iwate.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/035/887/himekamisan.pdf
ニューヨーク・タイムズ紙からは街並みとともに、おいしいグルメも評価された盛岡市。盛岡冷麺、盛岡じゃじゃ麺、わんこそばの三大麺のほか、最近は健康食としても人気の南部せんべいやアロニアサイダーなどのお土産も豊富にそろっています。街並みも食も夏遊びも魅力たっぷりの盛岡。まだ行ったことがないという人も、一度訪れればその魅力がきっとわかるはずです。
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