世界遺産登録の五箇山合掌造り集落など、今も日本の原風景が残る富山県南砺市。冬には雪で白く染まった集落がライトアップされた幻想的な景色も見られる街には、創業百年超えの老舗がそろった日本酒をはじめ、地ビールやワインなど、さまざまな種類の酒蔵がそろっています。その種類豊富な地元のお酒をとことん楽しめる2泊3日のツアー「南砺だから まるごと酒旅」が、いま話題です。
南砺市観光協会が手掛けるこのツアーは、自由にカスタマイズ可能な宿泊施設と飲食店を選び、その料理に合わせた地元のお酒が提供されるもので、2泊3日の旅の間、朝から晩までおいしいお酒に浸ることができる酒好きには夢のようなツアー。今回は、そのプランに参加している市内の酒蔵と、それぞれ自慢の新酒をご紹介します。
骨太な味わいが自慢の創業140年を超える老舗
雪深い五箇山で地元に根付いた老舗が、1880(明治13)年創業の「三笑楽酒造」です。昔から変わらず、米や麹の旨味と豊かな香りが特徴の骨太の味を提供。10月中旬に初仕込みしたお酒の搾りたてを瓶詰した「三笑楽 蔵出生原酒」(720ml/1,658円)は、新酒ならではのフレッシュな香りと米の旨味が楽しめ、日本食はもちろんどんな料理にもよく合います。
三笑楽(さんしょうらく)酒造
DATA
住所:富山県南砺市上梨678
電話:0763-66-2010
三笑楽酒造
「一櫂一櫂心を込めて」をモットーに、バランスのよいお酒を醸造
地元のお米と水にこだわる、1889(明治22)年創業の「若駒酒造場」は、木彫りの里として知られる井波地区の瑞泉寺門前にあります。「一櫂一櫂心を込めて」をモットーに、程よい酸とお米の旨味のバランスが取れたお酒を造り続ける老舗自慢の新酒は、「純米生酒若駒」(1,800ml/2,800円)。飲み口がよく、米の旨味を存分に感じられる一本です。
若駒(わかこま)酒造場
DATA
住所:富山県南砺市井波3601
電話:0763-82-7373
若駒酒造場
常に新しいことにチャレンジし続ける酒蔵
1894(明治27)年創業の老舗ながら、野生酵母を使ったお酒造りのほか、全国で初めてトラスト制度を作るなど、新しいことに挑戦し続けている酒蔵が、「成政酒造」です。地元のお米・雄山錦を60%精米した発泡タイプの純米酒「雄山錦 純米しぼりたて 生酒」(720ml/1,540円~)は、きめ細やかな炭酸の泡感が楽しめる新酒で、フレッシュ&フルーティーな味わいが特徴。
成政(なりまさ)酒造
DATA
住所:富山県南砺市舘418
電話:0763-52-0204
成政酒造
自由な発想で造られるオリジナリティあふれたこだわりビール
越中の小京都と呼ばれる城端地区で、2001年から自由で独自性あふれるビール造りを行っているのが、「城端麦酒」です。ホップの効いたIPAやフルーツビールなど幅広いアイテムの中で、年越しに飲んでほしい1本が「俺のA.J.I」(350ml/450円)。クラフトビール業界の功労者の命日である12月15日に発売されるもので、フルーティーでトロピカルな香りと心地よい苦味があるNE-IPA(ニューイングランドアイピーエー)です。
城端麦酒(じょうはなびーる)
DATA
住所:富山県南砺市立野原東688
電話:0763-62-2283
城端麦酒
日本酒造りのエッセンスを加えた、気軽に飲んでほしいワイン
日本では珍しい欧州系の品種を立野原に広がる16haの農地で栽培しているワイナリーで、日本酒造りの経験を活かした、雑味がない美しいワイン造りを行っている「ドメーヌ ボー」。自社園で初収穫されたゲヴェルツトラミネールとリースリングを使用した白ワイン「Tatenogahara Primeur 2022(タテノガハラ・プリムール)」(750ml/5,500円)は、果実の香りと心地よい酸を感じられる果実味豊かな1本です。
ドメーヌ ボー
DATA
住所:富山県南砺市立野原西1197
電話:0763-77-4639
ドメーヌ ボー(トレボー)
冬には雪が降り積もる富山県南西部に位置する南砺市。年末年始の時期にはスキーやクロスカントリーなどのウィンタースポーツが行えるほか、閑乗寺公園のキャンプサイトでは冬のキャンプを楽しむ人も増えています。先述のツアーに参加するもよし、ウィンタースポーツやキャンプを体験したプラスアルファで各酒蔵おすすめの新酒を味わうもよし、冬の南砺市でおいしいお酒を堪能してみては?
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