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銘酒がそろう日本酒の聖地・小山市で新年の幕開けを♪

2022年12月27日 12:00 更新

文●越智龍二　イラスト●サタケシュンスケ

関東平野のほぼ中央にあたる、栃木県南部に位置する小山市。宇都宮市に次ぐ約17万人が暮らす県内第2の都市ながら市街地周辺には田園が広がる街は、ラムサール条約湿地にも登録されている日本最大の遊水地、渡良瀬遊水地をはじめとした自然環境も豊かです。

思川（おもいがわ）や日光連山の伏流水に恵まれた米どころでもある小山市では、良質なお水とおいしいお米を生かした酒造りが古くから発達。昭和初期には10蔵がそろう日本酒の聖地として発達し、今も5つの酒蔵がその伝統を紡いでいます。今回は、そのなかから2つの歴史ある酒蔵、そして小山の銘酒を取りそろえた酒店を、年越し時に味わいたいおすすめの新酒と合わせてご紹介します。

世界初のLED照射発酵日本酒を手掛ける創業150年の老舗

西堀酒造

「西堀酒造」は、国登録有形文化財指定の酒蔵見学（500円～）も行う創業150年の老舗。一方で、世界初のLED照射発酵日本酒「ILLUMINA(イルミナ)」を醸造するほか、2022年には蒸留所を設置して日本酒酵母を用いたウイスキー製造も開始するなど、新たな挑戦に積極的です。定番「門外不出 純米吟醸 55」のしぼりたて生原酒「門外不出 純米吟醸 黒 無濾過生原酒 しぼりたて」（720ml/1,925円）は、米の旨味とキレのバランスがよい1本。冷酒で楽しむには最適の新酒です。

「鳳凰美田（ほうおうびでん）」で知られるこだわり派の蔵元

小林酒造

みずみずしくフルーティーな吟醸香が特徴の華やかな日本酒「鳳凰美田（ほうおうびでん）」で知られるのが、1872（明治5）年創業の「小林酒造」です。年末年始用の限定商品「鳳凰美田 WHITE PHOENIX 純米大吟醸酒」（1,500ml/10,800円）は、幻の酒米・愛山を45％まで精米した極上の純米大吟醸酒。晴れの日にぴったりの贅沢な1本です。また、全国リキュールコンテストで1位に評価された、ユズや桃などの大きな果肉が入った果実のリキュールも評判。蔵の見学、直接販売は行っていないのでご注意を。

地元の銘酒や全国の名門酒をそろえるエキチカ酒店

中野屋

小山駅西口から徒歩6分の場所にある「中野屋」は、「鳳凰美田」や「門外不出」「若駒」など地元の銘酒はもちろん、全国の名門酒や焼酎、ワインを中心に取りそろえる酒店です。年越しに飲んでほしい店主おすすめの1本は、「朝日山 ゆくとしくるとし」（720ml/1,723円～）。淡麗辛口な味わいのなかに、フレッシュさと力強さと備えたお酒です。ほかにも手みやげにぴったりのお酒がそろっているので、お気に入りの1本が見つかるはず。

近年、「開運のまち」としても注目されている小山市。鎌倉幕府成立に道筋をつけた1183（寿永2）年の「野木宮の合戦」、徳川家康が石田三成討伐を決めたことで江戸幕府誕生へ大きく前進した1600（慶長5）年の「小山評定」の舞台となったことがその理由です。2つの幕府の栄光に関与した縁起のいい「開運のまち」で、地元の銘酒を味わいながら新年を迎えてみてはいかがですか？

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