以前、某携帯電話のCMで話題になった、全国でも6例しかない国の三重指定(特別史跡・特別名勝・重要文化財)を受ける一乗谷朝倉氏遺跡(写真)が有名な福井県福井市。江戸時代には越前松平家の城下町として栄え、その福井城本丸跡にいまの福井県庁があります。
「越山若水(えつざんじゃくすい)」の言葉で知られる通り、豊かな自然に恵まれた福井県内には、ミネラル分豊富な奥越や九頭竜川、足羽川などの名水と、全国2位の生産量(平成30年度)を誇る酒米「五百万石」がそろい、銘酒も多数存在。なかでも福井市は、県内で最も酒蔵が多く、酒造りが盛んな土地として知られています。
風土を生かした“福井テロワール”を表現
安本酒造
福井県産の酒米100%で純米のみを醸す蔵“福井テロワール”を表現するのが、創業1853(嘉永6)年の「安本酒造」。地下から汲み上げる白山水脈の伏流水を仕込み水とし、食事と共に味わえる食中酒を数多くそろえています。口当たりの軽さと、しっかりとした旨味のある飲み口が特徴の「白岳仙 純米大吟醸 濡烏 NUREGARASU」(写真、720ml/5,500円)などが人気。
DATA
住所:福井県福井市安原町7-4
電話:0776-41-0011
安本酒造
オンリーワンを目指した斬新なお酒が評判
田嶋酒造
他の蔵にはないオンリーワンなお酒造りを目指しているのが、「田嶋酒造」です。日本酒の伝統醸造法である山廃仕込にこだわり、1840年代の創業から170年以上に渡って少量生産を続けるほか、近年はワイン製法や樽貯蔵などにも挑戦。写真の「PURE RICE WINE(純米ワイン)」(720ml/1,320円)は、コシヒカリとワイン酵母で醸す、白ワインのような味わいが楽しめる純米酒です。
DATA
住所:福井県福井市桃園1-3-10
電話:0776-36-3385
田嶋酒造
地元の酒米にこだわり地域との連携を深める街中の酒蔵
常山酒造
地元の酒米にこだわるのが、1804(文化元)年創業の酒蔵「常山(とこやま)酒造」です。職人の緻密な手作業と最新の発酵管理技術で、福井県の気候風土が育んだ酒米のポテンシャルを十二分に引き出し、フレッシュでキレがよく、淡麗ながらも米の柔らな旨味が感じられる“淡麗旨口”を生み出しています。看板酒は、キレと旨味が共存した「常山(じょうざん) 純米超辛」(写真、720ml/1,500円)。
DATA
住所:福井県福井市御幸1-19-10
電話:0776-22-1541
常山酒造
県内で最初に吟醸造りをスタートした老舗
舟木酒造
福井県内で最初に吟醸造りを始めた蔵元が、1866(慶応2)年創業の「舟木酒造」です。現在は蔵の設備や技術研究に熱心な5代目が、霊峰白山を源泉とする土地の良水を生かした飲みやすいお酒造りを続けています。山田錦のみを使用した写真の「北ノ庄 純米大吟醸 大吟 望」(720ml/2,750円)は、深みのある喉越しと華やかな香りが特徴です。
DATA
住所:福井県福井市大和田町46-3-1
電話:0776-54-2323
舟木酒造
昔ながらの木槽搾りで純米吟醸を追求
伊藤酒造
蔵元が自ら杜氏として酒造りに携わり、純米吟醸を追求しているのが、1894(明治27)年創業の「伊藤酒造」です。福井の酒米と酵母を使い、昔ながらの木槽搾りで丹念に醸造した、代表銘柄「越の鷹(こしのたか) 辛口純米吟醸」(写真、720ml/1,655円)は、冷では白ワインのような、燗酒では米のまろやかな風味を楽しめるお酒。すっきりとした喉越しで、魚料理によく合います。
DATA
住所:福井県福井市江上町44-65
電話:0776-59-1018
伊藤酒造
県オリジナルの酒米品種「さかほまれ」を使用した新酒が2020年から販売開始となった福井県では、2022年2月末まで、県内の酒蔵で1,000円以上購入すると、各蔵のオリジナルラベルなどをもらうことができるスタンプラリー企画「ふくい酒蔵ある記」も好評開催中。酒蔵の数が多い福井市で、一気にスタンプを集めましょう。
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