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• 那須塩原市

源頼朝が行った史実に由来する那須塩原市の巻狩鍋

2021年12月28日 12:00 更新

文●越智龍二　イラスト●サタケシュンスケ

栃木県の最北に位置し、温泉や酪農が有名な那須塩原市。豊かな自然が育む食材を生かした名物も多く、本州一の生産量を誇る生乳、チーズなどで有名ですが、地元の食材を使用した「巻狩鍋」もその一つです。巻狩鍋とは、かつて源頼朝が那須野ヶ原（現那須塩原市）などで行った大規模な狩り「那須野巻狩」の史実に由来するもので、当時の料理を想像しながら現代風にアレンジしたもの。例年10月には「那須野巻狩まつり」が行われ、直径2.2mの大将鍋で作られた巻狩鍋（写真）も振る舞われます。

その巻狩鍋などの地元名物料理が楽しめる「巻狩鍋フェア」が、2021年12月20日から2022年3月31日（木）まで開催。期間中は、市内の参画店舗などでオリジナルの「巻狩料理」が提供され、店舗ごとに異なるこだわりの味を楽しむことができます。

趣ある囲炉裏の部屋で地産地消の巻狩鍋を♪

割烹 石山

すべて地産地消の食材を使った巻狩鍋を味わえるのが、明治中期創業の「割烹 石山」。まろやかな味噌ベースの巻狩り鍋のほか、鮎の塩焼き、小鉢、釜飯がセットになった写真の「黒磯名物巻狩り鍋コース」は、1人前3,850円（※別途奉仕料10％）です。豊富にそろう個室の中には築130年の囲炉裏の部屋もあり、落ち着いた雰囲気のなか、至福の時間を楽しめます。

けんちん汁をベースにしたそば店の巻狩鍋

那須の渓流の里 そば処 やしお

板室温泉にある評判のそば店「那須の渓流の里 そば処 やしお」では、那須塩原産の根菜などを使ったけんちん汁に、焼いた合鴨と焼きネギを加えた巻狩鍋が味わえます。那須塩原産のそば粉と那須の名水で打ったコシのあるそば、季節の炊き込みご飯なども付いた贅沢なセット「巻狩り御前」（写真、1,815円）を、古民家風の店内でじっくり堪能しましょう。

煮込み料理カチャトーラ風のイタリアン巻狩料理

イタリア料理ジョイア・ミーア 塩原関谷店

天井が高く開放的な雰囲気の南欧風の店内で、イタリア風の「巻狩鍋」（3,000円）を楽しめるのが、薪で焼き上げるピッツァなど、すべて手作りにこだわる「イタリア料理ジョイア・ミーア 塩原関谷店」。ほかでは味わえないオリジナルの料理は、1日かけて煮込んだ自家製トマトソースに地元特産の肉や野菜を合わせた、イタリアの煮込み料理・カチャトーラ風です。

田舎風巻狩鍋を温泉自慢の“ちょうどいい宿”で堪能

奥塩原高原ホテル

ホテルの快適さと温泉旅館のおもてなしの両方がある“ちょうどいい宿”「奥塩原高原ホテル」でも巻狩鍋を楽しめます。鴨肉の肉団子と猪豚肉、地元野菜を使った味噌スープ仕立ての田舎風で、宿泊時の夕食となる会席料理コースの中で登場します（要予約）。田舎風の巻狩鍋を味わって、自慢の源泉かけ流しのにごり湯に浸かれば、身も心も癒されるはず。

板室温泉の温泉旅館で味わう地産地消の巻狩鍋

ONSEN RYOKAN 山喜（やまき）

“栃木の薬湯”と呼ばれる効能豊かなアルカリ性単純温泉が評判の板室温泉にある「ONSEN RYOKAN 山喜」でも巻狩鍋を味わえます。夕食のコース料理に含まれる、地元産の豚肉と牛肉を用いた巻狩鍋（要予約）は、近郊で採れる野菜などその他の食材の内容によって、すき焼きや味噌鍋などで提供。地産地消に努める旬の食材が満載の“体によい食事”を楽しみましょう。

鴨肉やイノシシ肉、旬の地元産野菜などを用い、それぞれのこだわりが詰まった那須塩原市の巻狩鍋。各店が趣向をこらした温かい鍋をつつけば、はるか昔が透けて見えてくるかもしれません。※今回紹介した各店の料理写真は、すべてイメージです。

※記事内の価格はすべて税込です。販売価格は予告なく変更される場合があります。
※この記事は、「つなぐ旅～東日本～　ひがしにほんトラベルガイド」から転載しています。