宮城県仙台市民の秋の楽しみと言えば、はらこ飯と芋煮会。前者は、旬の秋鮭の切り身とイクラをのせた9~12月ごろまでの期間限定グルメ、後者は河原に集まってみんなで鍋をつつく秋の風物詩です。そんな地元の秋を満喫する100万人以上が暮らす街は、3大スポーツのプロチームが在籍する東北地方で唯一の政令指定都市でありながら、“杜の都”と呼ばれるほど街中にも緑があふれる豊かな自然が広がっています。
特に、市内西部の山間部に位置する有名な温泉郷でもある秋保(あきう)地区と作並・定義地区は、渓谷や滝、湖などの雄大な自然を擁し、秋の紅葉の名所としても有名。今回は、その秋保エリアから「秋保大滝」「磊々峡(らいらいきょう)」「二口峡谷」(写真)の3か所、作並・定義エリアから「鳳鳴(ほうめい)四十八滝」「定義(じょうぎ)如来西方寺」の2か所の紅葉スポットをご紹介します。
圧巻の水量を誇る大瀑布をイチョウやモミジが装飾
秋保地区で一番の紅葉スポットと言われるのが、国指定の名勝でもある幅6m落差55mの大瀑布「秋保大滝」です。秋になると、日本の滝100選にも選ばれる滝の周囲のイチョウやモミジ、カエデなどが色づき始め、例年10月中旬~11月上旬にかけて見ごろを迎えます。駐車場から徒歩5分の滝見台からも滝を見下ろす絶景が見られますが、不動滝橋という橋の脇から遊歩道を頑張って下りていけば、迫力のある滝つぼからの風景を楽しむことができます。
秋保大滝
DATA
住所:宮城県仙台市太白区秋保町馬場字大滝
電話:022-398-2323(秋保温泉郷観光案内所)
https://www.sentabi.jp/guidebook/attractions/116/
奇岩怪石と紅葉が作り上げる秋だけの絶景
秋保温泉街を流れる名取川沿いに並ぶ奇岩怪石が織りなす美しい峡谷「磊々峡」。川沿いに約650mの遊歩道が整備されていて、例年11月上旬~中旬には奇面巌や時雨滝、天斧巌などの見どころを巡りながら、シラキやクヌギ、ヤマフジなどの紅葉散歩を楽しむことができます。10月26日(土)~11月17日(日)には、観光案内所を併設する秋保・里センターの裏手の散策路で「磊々峡もみじのこみちライトアップ」も実施されます。
磊々峡(らいらいきょう)
DATA
住所:宮城県仙台市太白区秋保町湯元
電話:022-398-2323(秋保温泉郷観光案内所)
https://www.sentabi.jp/guidebook/attractions/74/
大パノラマの巨岩と紅葉がコラボレーション
山形県までまたがる蔵王国定公園内の名取川最上流部に位置する「二口峡谷」。約8㎞に渡って続く峡谷では、例年10月中旬~下旬にかけて、コナラやカエデ、モミジなどが色づきます。川のせせらぎを感じながら散策できる約2㎞の自然歩道のハイライトに、高さ約80~150m、幅約3㎞にも及ぶ磐司岩があり、大パノラマの迫力とともに巨岩の上部や周囲が赤や黄色に染まった紅葉のコラボが楽しめます。※自然歩道へ行く際は、山歩きの装備が必要です。
二口峡谷
DATA
住所:宮城県仙台市太白区秋保町馬場
電話:022-398-2323(秋保温泉郷観光案内所)
https://www.sentabi.jp/guidebook/attractions/115/
紅葉が見ごろを迎えるころ鳳凰が出現!?
自然豊かな街全体が紅葉スポットとも言える作並温泉郷の広瀬川上流で、いくつもの滝が連なった「鳳鳴四十八滝」。大小さまざまな滝が奏でる珍しい水音が、伝説の鳥の鳴き声のように聞こえたことからその名が付いたと伝えられています。滝の周囲では例年10月下旬頃から紅葉が見られ、見ごろの時期には鳳凰が飛び立つ姿のように見えるとも言われています。
鳳鳴(ほうめい)四十八滝
DATA
住所:宮城県仙台市青葉区作並字棒目木
電話:070-1143-6633(作並・定義地区観光案内所)
https://www.sentabi.jp/guidebook/attractions/203/
秋色に染まる五重塔を茶室からのんびり堪能
地元では“定義(じょうぎ)さん”と呼ばれる、平清盛の家臣・平貞能公ゆかりの寺院「定義如来西方寺」。縁結びや子授け、安産にご利益があるとされ、カップルも多く訪れます。紅葉シーズンは例年10月中旬~11月初旬で、庭園内の茶室からのんびり紅葉を堪能できる五重塔庭園のほか、大倉川にかかる定義橋からの眺めも見事。門前の商店で販売されている、定義三角あぶらあげも有名です。
定義如来西方寺
DATA
住所:宮城県仙台市青葉区大倉字上下1
電話:022-393-2011
https://jogi.jp/
秋保地区ではこの秋、町内の施設が参加する光のイベント「AKIULUMINA(アキウルミナ)」(https://www.akiulumina.jp/)を10月から開催。ライトアップが美しい「光のもり」からアートを楽しみながら周遊できる「AKIULUMINART」まで芸術の秋を楽しむことができます。一方の作並・定義地区では、湖面に映る紅葉を間近で体感できる大倉ダム湖でのカヌー、SUP体験など大自然と一体になれるコンテンツが人気です。温泉と紅葉に、これらのイベント&体験も楽しんで、秋の仙台を満喫しましょう。
- 紅葉の時期は例年のもの。詳しくは、お出かけ前にご確認ください。