
北西に日本海、東に霊峰白山、平野部の南に太古のままの姿を残した木場潟を擁する、自然豊かな石川県小松市。山間部には大倉岳高原スキー場があるように、冬季は厳しい寒さに直面しますが、その寒冷な気候や白山水系の清冽な水、美味しいお米など、酒造りに適した環境に恵まれ、古くから酒造りが盛んに行われてきました。

市内には5つの酒蔵があり、それぞれ熱意あふれる職人たちが風土に合わせたハイレベルな地酒を製造。日本政府専用機の正式機内酒として提供された「神泉大吟醸」、2012年から2年連続でノーベル賞公式晩餐会のアフターパーティで振る舞われた「加賀ノ月」は、どちらも小松市内の蔵元による銘酒です。今回は、神泉大吟醸を手がける「東酒造」(写真)、加賀ノ月の「酒蔵加越(かえつ)」、そして「春心 ハルゴコロ」などで知られる「西出(にしで)酒造」の3つの蔵元をご紹介します。
国登録有形文化財に指定された蔵は見学(要予約)も可能

「神泉」で知られる万延元年(1860)創業の造り酒屋「東酒造」。石川県産にこだわり、水は白山の伏流水、酒米と酵母も地元のものを使用したお酒は、石川の地酒らしい日本酒だと評判です。看板の神泉のほか、フランスで行われた日本酒コンクール「クラマスター2025」で世界ベスト3に選ばれた「蛍舞プラス」(写真)、能登の酒蔵「中島酒造店」と共同で醸造した「能登末廣」も人気。醸造量が300石と小規模で、国内では一部を除き石川県内でしか購入できないため、酒好きのおみやげにもおすすめです。
東酒造
DATA
住所:石川県小松市野田町丁35
電話:0120-47-2302
http://www.sake-sinsen.co.jp/
繊細な酒造りに定評! 全国新酒鑑評会金賞受賞回数は数知れず

全国新酒鑑評会での金賞受賞回数で北陸トップクラスを誇るのが、慶応元年(1865)創業の「酒蔵加越」。白山の伏流水など自然の恵みを生かした、「一口飲んでうまいと感じ、飲み続けても飽きの来ない酒」を目指し、そのこだわりに直に触れられる酒蔵見学(要予約)も実施しています。蔵の名前を冠した「酒峰加越」と並ぶ代表銘柄の「加賀ノ月」は、先に挙げたパーティで採用された辛口の純米吟醸「加賀ノ月 満月」(写真)のほか、冬に県内でのみ販売されるフレッシュな香りが特徴の袋搾りの生原酒「加賀ノ月 月光無濾過生」なども人気。
酒蔵加越
DATA
住所:石川県小松市今江町9-605
電話:0761-22-5321
https://www.kanpaku.co.jp/
自然の力を生かした“究極の地酒つくり”がテーマ

“究極の地酒つくりを目指す”ことをテーマに掲げる、大正2年(1913)創業の「西出酒造」。地元の米や山からの伏流水のほか、地産の杉の木で作った木桶を使うなど、地産地消にこだわり、自然の力を最大限に生かした酒造りを行っています。代表銘柄の「春心 ハルゴコロ」(写真右)では、生酛(きもと)という伝統的な醸造法を採用し、自然の微生物と人間の技術を融合させた酒造りを実施。蔵に自然に存在する酵母を使って醸造するため、年度ごとに風味や特性が異なるのが特徴です。5代目の名前を冠した「裕恒 HIROHISA」、洋食にも合う純米酒「もろみー」(写真左)なども注目。
西出酒造
DATA
住所:石川県小松市下粟津町ろ24
電話:0761-44-8188
https://nishidesake.com/
美味しいお酒とともに味わいたいのが、日本海の海の幸。冬期はカニや寒ブリ、のどぐろなどが旬を迎え、酒席をより至極の時間に変えてくれます。そのほか、市内を訪れたなら、全宿が自家掘り源泉を持つ鮮度抜群の粟津温泉、文化庁100年フードに選ばれる小松うどんなども合わせて楽しみたいところ。北陸新幹線の延伸によって東京から約2時間40分と、電車でのアクセスもよくなった小松で、冬の1日を思いっきり満喫してみては?
































