「ひみ寒ぶり」や氷見牛とともに、富山県氷見市の名物として知られるのが氷見イワシ。広辞苑にも記載される「氷見鰯」は乾物を指していて、主にマイワシを加工して製造されています。地元ではブリのシーズンが終わると、マイワシなど小さな魚をとる「春網(はるあみ)」という定置網に切り替えて漁を行うことから、マイワシは春を告げる魚と呼ばれています。
マイワシが氷見に春を告げるころ、市内では桜が白やピンクの花を咲かせます。今回は、富山湾を望む絶景と桜のコラボ、市内中心部を流れる川沿いの桜並木、万葉集の編纂者でもある大伴家持ゆかりの古木など、「富山さくらの名所70選」選出の名所を中心に、市内のおすすめ桜スポット5ヵ所をご紹介します。
富山湾を遠くまで見渡す絶景とともに花見を満喫
朝日山公園
能登半島や立山連峰まで見渡す展望休憩所から絶景とともに桜を眺められるのが、「朝日山公園」です。ブリ小僧(写真)でも知られる公園内には、ソメイヨシノを中心に約350本の桜があり、例年4月上旬~中旬の見ごろの時期には、多くの花見客でにぎわいます。2021年には、大型複合遊具などが設置された見晴らしの丘もオープンしました。
DATA
住所:富山県氷見市幸町16
電話:0766-74-8076(氷見市都市計画課)
朝日山公園
市内で最も多い約430本の桜が咲く市民憩いの森
ふれあいの森
朝日山公園に隣接する「ふれあいの森」では、初夏にはアジサイが咲き誇る緑豊かな環境でお花見を楽しむことができます。ソメイヨシノを中心に約7本のシダレザクラなど市内最多となる約430本の桜があり、芝生広場や道路沿いの桜並木(写真)などがおすすめのビューポイント。例年4月上旬~中旬が見ごろで、園内にはアリーナや柔道場、剣道場などがそろう「氷見市ふれあいスポーツセンター」もあります。
DATA
住所:富山県氷見市鞍川
電話:0766-74-8076(氷見市都市計画課)
ふれあいの森
人気キャラクターを楽しみつつ桜ウォーキング
湊川リバーウォーク
市街地の中心部を流れる湊川周辺の散策ゾーン「湊川リバーウォーク」では、人気キャラクターを楽しみながらお花見が可能。湊川の両岸には約120本のソメイヨシノが植えられ、例年4月上旬~中旬の見ごろの時期には見事な景観が広がります。中の橋付近には、1時間に一度(土日祝は30分ごと)、藤子不二雄Ⓐ氏のキャラクターが登場するカラクリ時計があり、忍者ハットリくんなどが登場します。
DATA
住所:富山県氷見市本町
電話:0766-74-8106(氷見市観光交流課)
湊川リバーウォーク
万葉集の歌人の伝説が残る樹齢約460年の貴重な古木
駒つなぎ桜
樹齢約460年ともいわれる富山県指定の天然記念物の貴重な桜が、「駒つなぎ桜」です。高さ約13mのエドヒガンザクラの古木は、いまなお見事な枝ぶりを誇り、例年4月中旬ごろに多くの花を咲かせます。かつてこの地に船着き場があったころ、越中国守の大伴家持が能登へ渡る際にこのサクラの木に馬をつないだ伝説から「駒つなぎ桜」と呼ばれるようになったそうです。
DATA
住所:富山県氷見市粟原
電話:0766-74-8106(氷見市観光交流課)
駒つなぎ桜
羽を広げるように枝分かれした高さ約18mのエドヒガン
余川古寺(よかわこじ)の桜
「余川寺の桜」は、地元民から霊木として崇められる樹齢300年以上の名木。市の天然記念物にも指定されているエドヒガンの一本桜で、例年4月上旬ごろ薄桃色の花を咲かせ、人々の目を楽しませてくれます。ひと際目を引く高さ約18mの大木は、羽を広げるように途中で3方向に枝分かれしているため、近くから見上げると桜の花に覆われているような感覚に。
DATA
住所:富山県氷見市余川
電話:0766-74-8106(氷見市観光交流課)
余川古寺の桜
乾物の氷見鰯が有名な氷見市ですが、鮮度抜群のイワシが手に入ることもあり、地元では加工せずに刺身などで味わうのもポピュラーです。桜の名所を巡った後は、とれたての氷見イワシを味わって、氷見の春を堪能してください。
桜の見ごろは例年のものを記載しております。開花状況が前後する場合がありますので、ご確認のうえ、お出かけください。