市内西部を南北に流れる清流、思川(おもいがわ)やその周囲に広がる緑地が市民の憩いの場になっている栃木県小山市。春になると市民は川沿いなどでお花見を楽しむのですが、そこに咲くこの川の名前が付けられた思川桜(オモイガワザクラ、写真)という桜をみなさんは知っていますか? 赤色に白を合わせたような淡紅色の花を咲かせるジュウガツザクラから突然変異した小山市原産の品種で、1978年には市の花にも制定。市内では現在、思川沿いを中心に約3000本の思川桜を見ることができます。
その開花時期はソメイヨシノより約1週間遅く、例年3月下旬~4月上旬に見ごろを迎えるソメイヨシノに続いて、4月上旬~中旬に思川桜が見ごろを迎えるため、市内では他の街よりも長い期間、お花見を楽しむことができるのも魅力。桜の開花時期に合わせてお祭りも開催され、市内各地でさまざまなイベントや桜のライトアップなどが行われます。今回はそんな思川桜の名所に加え、ソメイヨシノの名所も合わせ、市内のお花見スポット5か所をご紹介。
華やかに咲く思川桜を愛でながら思川沿いを散策
小山市役所西側思川桜堤
思川にかかった観晃橋から続く思川アプローチから、小山第一小学校西側までの川沿いをたくさんの思川桜が彩る「小山市役所西側思川桜堤」。川の堤防の上には桜の里親制度で植栽された思川桜が淡紅色の花を咲かせます。思川の対岸には、約80本の思川桜でできた桜のトンネルが見事な白鴎大学大行寺キャンパス東側思川桜堤があり、こちらもおすすめ。
DATA
住所:栃木県小山市中央町
電話:0285-22-9273(小山市商業観光課)
https://www.city.oyama.tochigi.jp/kankou-bunka/event/page003619.html#o-1
露天の“美人の湯”につかりながらお花見を堪能
小山思川温泉
ゆったりとくつろげる大露天風呂から思川を一望できる、市内唯一の天然温泉「小山思川温泉」では、温泉につかりながらお花見を満喫。思川を見下ろす岩風呂の露天で堪能できる、入ればお肌がスベスベになる“美人の湯”を堪能しつつ、男性露天風呂からはソメイヨシノが、女性露天風呂からは思川桜を鑑賞できます。手ぶらで温泉とバーベキューを楽しめるプランも人気。
DATA
住所:栃木県小山市喜沢1475
電話:0285-21-2020
http://www.omoigawaonsen.jp
池に移る幻想的な夜桜にうっとり必至
間々田(ままだ)八幡宮
奈良時代中期に創建されたと伝わる「間々田八幡宮」では、水面に映るソメイヨシノの絶景を楽しめます。一部が間々田八幡公園として開放されている約2万坪もの広大な敷地の中にあるひょうたん池の周囲には、たくさんのソメイヨシノがズラリ。桜の時期には夜になると池の周囲の提灯に明かりが灯され、池の上に映しだされた夜桜を鑑賞できます。
DATA
住所:栃木県小山市間々田2330
電話:0285-45-1280
https://www.mamada-hachiman.jp/
2種類の桜を同時に楽しみながら贅沢な春散歩
農業用ため池 大沼溜
野鳥や植物の観察にもおすすめの「農業用ため池 大沼溜」では、ソメイヨシノと思川桜の両方の桜を鑑賞可能。農林水産省の「ため池百選」にも選定される市内最大のため池、大沼溜に沿って整備された散策路の脇にソメイヨシノと思川桜のどちらもが植えられていて、昼間は色鮮やかな桜、夜にはライトアップされた桜を楽しめる散歩スポットです。沼を一巡りする散策路はウォーキングにも最適。
DATA
住所:栃木県小山市羽川
https://www.tochigiji.or.jp/spot/s10818
両方を楽しめる桜並木が続く穴場スポット
山下通り
乙女かわらの里公園の北側に位置する「山下通り」でもソメイヨシノと思川桜の両方を楽しめます。間々田地区から乙女地区まで続く約1kmの遊歩道にソメイヨシノと思川桜の木が並び、長い期間桜を鑑賞可能。間々田地区でも屈指の桜の名所ながら意外と知られていない隠れた名所で、目の前に田園風景が広がる並木道をのんびり散策してみては?
DATA
住所:栃木県小山市乙女
https://www.tochigiji.or.jp/spot/s9524/
清流・思川に加え、ラムサール条約湿地に登録された渡良瀬遊水地を擁する“水と緑”に恵まれた小山市。全国有数のビール麦の産地でもある市内には、おいしい日本酒や地ビールもそろっています。春に小山市を訪れたなら、お花見のお供に地元のお酒も楽しんでみてください。
※開花時期は例年の目安です。今年のライトアップなどのイベントの有無は、お出かけ前にご確認ください。