長野県立美術館では、「東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」を2022年1月16日まで開催中。日本画家・東山魁夷の記念碑的大作である、律宗の総本山、奈良・唐招提寺御影堂の障壁画全68面を一堂に展示する。
1971年から10年もの歳月をかけて制作された本障壁画には、幾多の困難を乗り越えて中国から来日し唐招提寺を開いた鑑真和上への讃仰と崇敬の念を込めて、日本の理想的な自然としての海と山、鑑真和上の祖国である中国の風景が描かれている。
本展では、通常非公開となっている本障壁画を、部分的に御影堂を再現して紹介するほか、この作品のために東山が日本や中国の各地で重ねた取材の軌跡を、同館所蔵のスケッチや下図などから辿る。あわせて、唐招提寺御影堂障壁画への道程を示す重要な作品の数々を展示する。
唐招提寺御影堂障壁画に取り組むかたわら制作された連作「白い馬の見える風景」から同館の所蔵する全作(本制作4点、習作15点)、障壁画の構想段階でめぐった奈良・大和路を題材とする連作「大和春秋」、障壁画の水墨表現のための研究の道程である《桂林月夜》(1976年)・《黄山雨過》(1978年)・《灕江暮色》(1978年)など、障壁画をめぐる東山魁夷の深い思索を堪能できる。
DATA
東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展
会期:2022年1月16日まで
休館日:水曜日、年末年始(12月28日~2022年1月3日)
開館時間:9時~17時
観覧料:一般1500円、大学生1300円、高校生以下・18歳未満無料
会場:長野県立美術館 展示室1・展示室2・展示室3
住所:長野県長野市箱清水1-4-4
TEL:026-232-0052