福井市橘曙覧記念文学館は9月27日~11月17日、特別展「源氏物語を愛して―現代語訳に挑んだ作家たち」を開催する。
平安時代に書かれた「源氏物語」は、中世の頃までは一部の人だけが読むことができる特別な読み物だったが、江戸時代には出版技術が進んで刊行が始まり、絵入り版や解説書、ダイジェスト版ともいうべき版本など多様な書物が出版され、大衆に広く読まれるようになった。福井藩主であった松平春嶽公も大変興味を持ち、実現はしなかったものの橘曙覧に城中での講義を依頼したという話も残されている。
源氏物語の現代語訳は、与謝野晶子をはじめ谷崎潤一郎や円地文子など何人もの作家が現代語訳に取り組み、出版された作品はどれもベストセラーとなり、源氏物語の魅力を伝えてくれる。本展では、自筆原稿などとともに源氏物語の現代語訳に取り組んだ作家たちを紹介する。
また、9月29日と10月26日には担当学芸員により展示解説が実施されるほか、「線香づくり」(1月12日)や「ガラスペンで美文字レッスン~源氏物語編」(11月4日)、朗読会(11月9日)も開催(いずれも詳細はイベント情報を確認のこと)。
DATA
会期:9月27日~11月17日
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)
開館時間:9時~17時15分(入館は16時45分まで)
観覧料:300円(中学生以下、70歳以上、障がい者とその付添人は無料)
場所:福井市橘曙覧記念文学館 第1展示室(福井県福井市足羽1-6-34)