富山県南砺市では8月から12月までの間、地域の伝統工芸や精神文化を学ぶ体験型プログラム「Touch the DOTOKU "土徳"―南砺のてしごと」の参加者募集を開始している。
このプログラムは、南砺市に根付く「井波彫刻」「五箇山和紙」「福光麻布」のいずれかを選び、各所で実際の制作工程を学びながら、その背景にある地域の精神性「土徳」への理解を深めるもの。期間中は、指定日に開催される月1回の体験に加え、夏休み期間を活用した集中コースも設けている。

「井波彫刻」は京都東本願寺との関係を持ち、250年以上の歴史を持つ国指定の伝統工芸で、現在もおよそ100名の彫刻師が暮らす木彫の町として知られる。プログラムでは彫刻塾を通じて現役の彫刻師から直接指導を受ける。

「福光麻布」は平安時代に起源を持ち、かつて宮中でも用いられた格式ある麻布。昭和天皇の大喪の礼を最後に一度は途絶えたが、およそ10年前より産業として復活させようという試みが行われている。本コースの参加者は、原材料の苧麻づくりから織り上げまでの工程に携わる。

「五箇山和紙」は加賀藩の御用紙として発展し、現在は「越中和紙」として国の伝統的工芸品にも指定されている。紙漉きの技術を保存・継承する「五箇山和紙の里」を拠点に、原材料の栽培から紙漉きまでを体験する。
参加費は5万円(交通費、宿泊費などは別)。申込みや問い合わせは公式サイトで受け付けている。
プログラムを主催するジソウラボは、伝統産業の後継者育成や地域文化の再生に取り組む団体で、「つくる人をつくる」という理念のもと、南砺の未来を見据えた活動を展開している。
DATA
Touch the DOTOKU "土徳"―南砺のてしごと
会場:富山県南砺市 市内各所 ※コースごとに実施場所が異なる
期間:8月~12月
※毎月指定日に開催予定
※夏休み期間を利用した夏季集中コースも別途用意
料金:5万円(交通費、宿泊費などは別)