
12月といえば大掃除! 今年1年たまった埃を払ったり不要なものを片付けたりと、まさに師走、ですよね。今回お知らせするのは、今年1年、知らず知らずのうちに溜まった厄をスッキリと清算できる宇都宮っ子の12月の神事「冬渡祭(おたりや)」です。
神秘的な夜の儀式が「火防の祭」と呼ばれるまで
二荒山神社の「おたりや」は、その歴史を辿ると838年まで遡る、非常に古い神事です。
毎年12月15日(冬渡祭)と1月15日(春渡祭)の年2回、夜間に開催されている、一年の終わりと正月の終わりを告げる夜祭で、「冬渡祭」と「春渡祭」、どちらも「おたりや」と読みます。
神社の御神体を元の場所から現在の社殿がある臼が峰へ還座した儀式がその始まりと伝えられています。この還座の儀式が夜中に行われたことから「渡り夜」と呼ばれ、後に「おたりや」という呼び名に転じたとされています。
そんな夜の儀式が現代にまで伝わる最大のご利益は、「火難除け」です。江戸時代初期からは、火災から守ってくれる「火防の祭」として知られるようになり、この日に参拝することは、大切な家と家族を守るという意味を持つようになりました。

宇都宮の一年の厄落とし「冬渡祭」はいいことだらけ!
2025年12月15日、今年も栃木県宇都宮市の二荒山神社にて冬渡祭(おたりや)が開催されます。
当日は、夜中に神輿の渡御や、宇都宮市指定文化財の田楽舞が奉納され、神輿の巡幸は各家々に神霊を迎え家内安全・無病息災を願うものとされています。二荒山神社の社殿東側に設けられた焚き上げ所では「お焚き上げ」が行われ、12月の「冬渡祭」では、一年間お守りいただいた古いお札や縁起物を、1月の「春渡祭」では、正月飾りなどをお焚き上げします。

炎の煙が届けてくれる、「無病息災」
そんなおたりやのハイライトは、社殿の東側に設けられた焚き上げ所で行われる「お焚き上げ」。実は、この炎から立ち上る煙を浴びると、「家内安全」、「無病息災」、そして火事から家を守る「火災防止」といった、私たちの日々の暮らしにとって大切なご利益を授かれると伝えられています。新しい福を呼び込む準備に加え、さらに3つもご利益があるなんて一石二鳥どころじゃないですね!
年末、宇都宮のこのお祭りで、しっかりとご利益をもらいつつ、新しい年に福を多く迎える準備しちゃいましょう!
DATA
冬渡祭(おたりや)
開催日:2025年12月15日(月)
時間:8:00~20:00 お焚き上げ(受付は18:00まで)
16:30 出御祭(社殿内)
17:00 御旅所祭(田楽舞奉納)
17:30 市内渡御
19:00 帰還
19:30 還御祭(社殿内)
場所:宇都宮二荒山神社(〒320-0026 栃木県宇都宮市馬場通り1-1-1)






























