
雪山の尾根にぽつぽつと並ぶ藁の火。冷たい雪の上で炎が赤々と燃える光景は、めずらしくて不思議と見惚れてしまいます。その光景と一緒に謡われる豊穣を願うお囃子も合わせて、まさに「奇祭」の名にふさわしい特別な雰囲気!
冬の終わり、新潟県魚沼市に380年以上も前、江戸時代からこの地に伝わり、変わらず受け継がれてきた「百八灯(ひゃくはっとう)」をご紹介します。
雪山にゆれる火が幻想的!魚沼の「奇祭」体験
新潟県魚沼市折立温泉地区にて、2026年3月1日に「百八灯」が行われます。「百八灯」は江戸時代初期(寛永年間)から380年以上続くとされる伝統行事の一つで、農作物の神様である「稲荷大明神」へ、五穀豊穣(豊年満作)や無病息災を祈願するお祭りです。
山の麓の社から山頂へと続く尾根づたいに、108束の稲藁(いなわら)を設置して火を灯すことから名付けられました。
「雪中花水祝」、「しねり弁天」と同じ、魚沼の三大奇祭の一つとされています。
雪山を赤く染める108の灯火
豪雪地帯の魚沼市では、祭りの日中に地元の男性たちが「かんじき」を履いて雪深い山に登り、稲藁を運びます。山麓の稲荷社から尾根沿いに108本の稲藁を2〜3往復で運び上げるそうです。夜になり、麓からの花火を合図に、一斉に運び上げた稲藁に点火されると、闇夜に浮かぶ白い雪山の稜線が真っ赤な炎の列で彩られます。「百八灯」ではこの時の炎の勢いがとても大切で、炎の勢いでその年の五穀豊穣、無病息災を占うそうです。そのため毎年炎をちゃんと大きくするための努力が隠されています。この炎はわずか15分ほどで消えてしまいますが、その刹那的な美しさが、冬の終わりと春の訪れを告げます。
独特なお囃子(はやし)
「百八灯」の点火中には、お囃子として江戸時代の物価を今に伝える独特な唄が流れます。
「百八灯、百八灯、百の米が一斗五升、十文酒が十六ぱい十六ぱい」
この少し変わったお囃子は、百は一銭(100分の1円)、十文は一厘(1000分の1円)にあたり、江戸時代の物価を計り知ることが出来るお囃子です。歌一つで祭りの歴史を深く感じますね!
雪山の灯火を望む会場ではなにが行われている?
当日の祭り会場では、メインの点火式のほかに、まつりの広場にてかまくらや雪舞台が組まれ、歌謡ショーなども企画されています。
また、折立名物「6人餅つき」という、6人が一斉に杵を振るうダイナミックな餅つきが行われ、つきたての餅が振る舞われるほか、現地でのグルメとして、豚汁、甘酒、そば、地酒などが無料で振る舞われるのもお楽み要素になってます。
そして祭りのクライマックスには打ち上げ花火!! 雪山と炎、そして大輪の花火の共演が楽しめますよ!

魚沼の厳しい冬を乗り越える人々の祈りが息づくこの祭りは、絶対訪れる人を魅了するはず! 百八灯が行われるのは毎年、3月の第1日曜日。今年は3月1日に開催されます。雪と炎の幻想世界を、ぜひ冬の魚沼・折立温泉で体感してみてください!
DATA
百八灯
開催日:2026年3月1日(日)
※毎年3月の第1日曜日
時間: 18:50頃〜
(19:30頃に山へ点火、20:00頃に花火)
場所: 魚沼市 折立温泉(おりたておんせん)特設会場(魚沼マレットゴルフ場周辺)
住所:〒946-0085 新潟県魚沼市下折立430
































