
冬が終わり、新しい季節が動き出す春のワクワク感。そんな気分にぴったりの春を告げる伝統行事が会津にあります。それが今回ご紹介する「会津彼岸獅子」。
会津の人にとっては桜と同じくらい、獅子舞の舞や音で春が来た!って感じるのでしょうか? 昔からある伝統行事というだけではなくて、新しい季節の始まりを告げる行事だというのもいいですねぇ。獅子舞の明るいパワーで、春一番のご利益をいただきたい!
会津、春の伝統行事
2026年3月20日(金)〜21日(土)、福島県会津若松市内にて「会津彼岸獅子」が開催されます。本イベントは、春の訪れを祝う会津の伝統行事です。三体の獅子が笛と太鼓の音色に合わせ、古式ゆかしい舞を披露しながら市内を練り歩きます。豊作と家内安全を祈り、鶴ヶ城、阿弥陀寺など、市内各所で舞が披露されます。
敵軍の包囲を破って舞いながら入城した伝説を持つ「会津彼岸獅子」
「会津彼岸獅子」は約380年以上の歴史を誇り、古くから地域に根付いてきました。その起源は、1574年の疫病流行時に病魔退散を祈願して舞ったという説や、会津藩祖・保科正之公が山形から移封された際に伝えられたという説など、諸説語り継がれています。
特に有名なのが、幕末の戊辰戦争におけるエピソード。新政府軍に包囲された鶴ヶ城へ、小松獅子団が堂々と獅子舞を演じながら入城。敵軍を呆気にとらせ、籠城する味方の士気を一気に高めたという伝説は、今も語り草となっているそう。

会津の獅子団は通常、3体の獅子に笛や太鼓、弓持ちなどを加えた約12名の編成で構成されます。団ごとに異なる衣装や紋があり、中には会津藩から特別に許された「会津葵の御紋」を掲げる団体もあります。その装束や獅子頭の結び目一つひとつに、各地域が守り抜いてきた独自の伝統と誇りが刻まれています。
そして「会津彼岸獅子」の大きな特徴は、「三匹獅子舞」というスタイル。
一人が一つの獅子頭を被り、自ら腹の太鼓を打ち鳴らしながら踊るのが基本で、「太夫(たゆう)獅子」「雄獅子」「雌獅子」の3体1組で構成されており、それぞれが役割を持って舞を披露します。注目したいのは、獅子舞のユニークな動きや、落ち着いた笛の音と、激しい太鼓の音です。これらが混ざり合う独特の旋律は、祭りが終わったあともしっかり聴く人の耳や心に残ります。五穀豊穣や家内安全、そして病魔退散も祈って披露されるこの舞は、ただ春を告げる伝統芸能以上に特別な「春の守り神」のように親しまれている存在です。
暮らしに溶け込む「街歩き」の楽しみ
この行事は、獅子たちがステージの上だけでなく、市役所や商店など「門付け(かどづけ)」に回るのも面白いところ。ふらりと立ち寄ったお店の前で、偶然にも獅子舞に出会える、そんなガイドブックには載っていない一期一会の出会いが、旅や日常を鮮やかに彩ります。
雪解けの道を歩きながら、笛の音を追いかける。そんな贅沢な春の楽しみ方を、会津若松であなたも体験してみませんか?
DATA
会津彼岸獅子
開催日: 2026年3月20日(金・祝)、21日(土)
主な会場:鶴ヶ城、阿弥陀寺、ほか市内各所(市内各所を門付け回る)
その他: 御薬園(21日のみ)※
料金:無料
※御薬園のみ入園料がかかります

































