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八戸から全国に広まった縄文人の「かわいい文化」と、地元の愛されラーメンに感動する一日【八戸市の旅#1ー歴史編】

縄文時代のアクセサリー(レプリカ)を装着

つなぐ旅編集部が実際に東日本の市町村を訪れて、「ワクワクする」シーンを体験レポート。今回は青森県八戸市の旅の様子をお届けします!

初めて訪れる八戸市。実はユネスコ世界文化遺産の「北海道・北東北の縄文遺跡群」のうち、2つの遺跡が八戸市にあるんです。レアな縄文時代の名残を見て、八戸市民に親しまれているラーメンを食べてきました。
(リゾート編はこちらから

改札前の謎の像はいったい…?

八戸へ向かう新幹線はほぼ満員。でも多くの人が仙台で降りたので、そこから先の車内はゆったりと過ごすことができました。帰省なのか旅行なのか、八戸駅で下車したのは私服姿の方が多かったです。

前の駅は二戸、次の駅は七戸。岩手県から青森県にかけて、一戸から九戸までの地名がある(ちなみに四戸はない)

改札を出た真正面に気になる像が! 詳しくは後述

八戸駅西口。周りは野原みたいになっているので駅の存在感がすごい

バスロータリーやタクシープールは東口にあります

体育すわりをしているみたいな国宝の土偶が超かわいい

まず私が向かったのは「是川縄文館」。ここではユネスコ世界文化遺産の「北海道・北東北の縄文遺跡群」の一つ、是川石器時代遺跡から出土した土器や土偶などを展示しています。歴史に詳しいわけではないのですが、私は紀元前の人類が残した遺跡や遺物が好きなんです。「当時こんなすごい技術があったなんて!」とロマンを感じるんですよね。

建物の外に土器のレプリカが並んでいてテンションが上がった

赤と黒のカラーリングが縄文感。どことなく北欧っぽさもあるデザインの「是川縄文館」

私は出る時に気が付きましたが、ガイドがあるので利用するのがおすすめです

一王寺遺跡、堀田遺跡、中居遺跡の3つをまとめて是川石器時代遺跡と呼んでいます。なかでも、中居遺跡からたくさん見つかったのが、漆塗り製品。耐久、耐水、防腐性が増すうえに、塗り重ねるほど強度が増すのが特徴です。漆器ってなんとなく仏教が広まった奈良時代頃に登場したものだと思っていたので、そんな昔からあったのかと驚きました。

木胎漆器とは、木を素地としてその上に漆を塗ったもの。説明文にもあるが彫刻技術がすごいうえに、「漆を採取する」「顔料を混ぜて色を着ける」「重ね塗りする」という知識と技術があったことにも驚く

これなんて繊細な注ぎ口まで付いていてすごすぎ

と思ったら隣の土器のところに「漆塗りの注口土器は少ない」と説明があった

かっこいい展示室。私が訪れた時はお客さんがほかに5人くらいだったのでゆっくり見て回れた

出土したのは器ばかりではありません。道具や土偶なども多く、これがまたずっと見ていられるほどバラエティ豊かなんです。

漆塗りの櫛。資料集か何かに「縄文人はおしゃれ」と書かれていたことを思い出した

きのこ形土製品は飾りに使われていたのかな…と思ってちょっと調べたところ、「食用のきのこの見本として使われていたのでは」という説があるよう。スタンプ形土製品はよく分かりませんでしたが、土器などに模様を付ける用でしょうか

土偶がずらりと並んでいて圧巻

学芸員の佐藤ちひろさんによると、土偶にも「流行の顔」があるのだそう。「土偶というと一般的に、目元が楕円で一文字の線が入った遮光器土偶をイメージされる方が多いと思いますが、その多くが北東北で見つかっています。でも数は少ないですが、新潟や関東・近畿地方でも出土しているんですよ」と佐藤さん。分かりやすく言うと、北東北を訪れた縄文人が「この土偶のデザインいいね! うちでも作ろう!」と持ち帰ったり、地元でまねしたものを作ったりしたため全国各地から出土していると考えられるのだとか。目が大きいところが良かったのでしょうか。おもしろい。

遮光器土偶たち。頭の上のモコモコしたものは髪の毛といわれています

ちょっとサザエさんっぽいヘアスタイルの、腕を組んで「おほほ」と笑っているような「頬杖土偶」も味がある。遮光器土偶より少し前の時代のもので、このデザインが流行した時もあったのかもしれない

見どころは国宝の「合掌土偶」。八戸駅構内にあったのもこちらです。まるで体育すわりをしているようなデザインで、これがまたかわいいんですよ。私が是川縄文館に行ったタイミングでは県外の博物館に貸し出し中だったため、レプリカが展示されていました。

こちらがレプリカ。その名のとおり手を合わせていてかわいい

こちらは本物。レプリカのそっくり度合いがよく分かる (画像提供:八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館)

出土したときの様子の説明。こんな感じで出てきたらびっくりするのはもちろん、絶対に腕などを折るわけにいかないので掘り出すのにかなり慎重になりそう

展示室の外には触ってもOKなレプリカがありました。持ってみるとめちゃくちゃ重いし、展示で見てイメージしていたサイズより大きい! 考えてみれば中身はみっちり土が詰まっているはずなので、そりゃ重いわけです。

意外と大きい…。お店で見ると小さく見えた家具が家に届くと大きく感じるのと同じですね(違うかな…)

歴史にくわしくないので年表がありがたかった。世界四大文明が起こった時期より後とはいえ、島国の日本の発展も負けてない

おみやげもなかなかユニーク。合掌土偶のパスタスナックと、履歴書みたいなクリアファイルを購入しました

DATA

是川縄文館
住所:青森県八戸市大字是川字横山1
休館日:月曜日(祝日・振替休日の場合は開館)、祝日・振替休日の翌日(土・日曜日、祝日の場合は開館)、年末年始(12/27~1/4)、その他臨時休館日
HP:https://www.korekawa-jomon.jp/
アクセス:JR八戸駅からタクシーで15分

一日の最後は“シメのラーメン”で〆!

驚いたのは、八戸市の市街地には飲食店が入っている横丁が多いこと。8つもあるので、食事するのに選択肢がありすぎて逆の意味で困ります(笑)。その中でも今回は人通りが多めで一番入りやすそうな「みろく横丁」を訪ねました。なんでも東北新幹線八戸駅の開業に合わせて作られた、比較的新しい横丁なのだとか。

18時くらいと少し早めの時間だったため、店で過ごすお客さんよりも横丁内を歩きながら店選びをしている人の方が多い

仕事終わりと思われるビジネスマンの姿もあった

一杯飲みたかったのですが、この日は朝からほぼ何も食べていなかったので腹ごしらえをすることに。「おいしいらしい」と噂を聞いていたラーメン店「味のめん匠」ののれんをくぐりました。

私にはわかる。これは間違いなくおいしいやつだ

おなかペコペコの私が選んだのは「八戸らーめん」。煮干しと鶏ガラの透き通ったスープが身体中に染み渡って、しみじみとおいしい…。決してこってりしていないのにあっさりすぎず、ほのかに甘みがあって、思わず「ああ…」と声が漏れるようなノスタルジーを感じる味わいです。
 店長の下村和仁さんによると、八戸らーめんとは昔から八戸市内で親しまれてきた一杯なのだそう。昭和初期の1928年頃、ラーメン屋台の経営者が東京から八戸に移住。煮干しと鶏ガラ、豚骨でとった出汁と醬油ベースのタレで作られた志那そばを提供し始めると、その味を求めて行列になるほど人気を博します。その後一時的に八戸らーめんは途絶えてしまいますが、みろく横丁のオープンと時を同じくしてブランド化されました。

下村さんがここでラーメンを提供するようになって14年。前のオーナーから店と味を引き継いで現在に至ります

もちろんスープもチャーシューも麺も自家製。細めのちぢれ麺にスープが絡んで、煮干しの風味がしっかり楽しめます。

麺のちぢれがとても細かいんですよ

「実はお店が一番混む時間帯は23:00から24:00なんですよ」と下村さん。このあたりにはお酒が飲める店が多いので、シメのラーメンとして食べにくる方が多いのだそう。飲んだ後に欲しくなる味なの、よく分かります!

横丁のちょうちんの明かりが似合う

DATA

味のめん匠
住所:青森県八戸市六日町10-1 みろく横丁内
定休日:不定休
HP:https://36yokocho.com/shop/2-1/
アクセス:JR本八戸駅から徒歩10分

約3,000年前の人々の暮らしと、約100年愛されるラーメン。八戸市には昔からここで生活する人々の食や文化が息づいていました。縄文時代の人々は想像以上に高度な技術を持っていましたし、もしかして当時もラーメンと似たようなものを作って食べていたりしたかもしれません。そういえば某漫画では石器時代みたいな石の世界で猫じゃらしからラーメンを作っていたので、あながち私の妄想ではないのかも?
(リゾート編はこちらから

八戸市はサバも有名。タクシーの運転手さんおすすめの居酒屋で食べたらおいしかった!

おみやげは昔青森出身の同僚に教えてもらった「なかよし」。チータラみたいな感じのおつまみで、ビールとはちゃめちゃに合いすぎてすぐに空になった
旅行などでお越しの際には、居住地並びに行先の地域の自治体が求める要請内容、国の新型コロナウイルス感染症対策サイト等を必ずご確認ください。
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