つなぐ旅編集部が実際に東日本の市町村を訪れて、「ワクワクする」シーンを体験レポート。今回は長野県上田市の旅の様子をお届けします!
上田といえば上田城。真田昌幸・幸村父子が、徳川の大軍を二度にわたり打ち破った上田城の城跡公園はロマンにあふれていて、紅葉がとってもきれいでした。
(グルメ編はこちらから)


東京から1時間20分のコンパクトな城下町
大宮から北陸新幹線はくたかで1時間足らず。寝るヒマもなく上田に到着です。



上田の魅力はそのコンパクトさではないでしょうか。新幹線を降りて改札を出たらもう目の前はロータリーです。駅前にはビジネスホテルや飲食店が立ち並びます。ホテルのチェックイン前に荷物だけホテルに預けて、すぐに歩いてあちこちに出かけられます。

まずは上田の最大の観光スポット「上田城跡公園」へ。東京なら徒歩12分だと若干憂鬱になりますが、山を遠くに眺めながら澄んだ空気のなか歩くのはとても気持ちのいいものです。

公園内にはあちらこちらに上田城の面影を残す建物や城壁跡が残っているほか、真田家ゆかりの資料が展示されている博物館があり、観光に訪れたら一度は立ち寄りたいところ。また、緑の多い園内は、地元の人たちの憩いの場にもなっているようでした。




紅葉を眺めつつ公園内をてくてく歩くと、東虎口櫓門に到着! ここから先は本丸と呼ばれる公園の中心部となります。
上田城は天正11年(1583年)に真田昌幸が築き、攻め寄せた徳川の大軍を二度も退けました。関ヶ原の合戦後に破城され、ほとんどの建物が失われましたが、わずかに残った城跡のうち、1949年(昭和24年)には、明治時代の廃城令で解体されて民間に払い下げられ、市内に移築されていた南・北櫓を元の場所に再移築、1994年に本丸東虎口櫓門が復元されました。現在、上田市は失われた櫓や櫓門などの復元を目指しているそうです。

東虎口櫓門では「信州上田おもてなし武将隊 真田幸村と十勇士」の真田幸村さんと猿飛佐助さんが迎えてくれました。上田城の魅力と城下町をPRするため2012年に結成された、歌って踊れるガイドとのこと。記念写真にも気軽に応じてくれます。
上田城は2016年に放送されたNHK大河ドラマ『真田丸』の舞台としても有名です。当時、城跡内には“大河ドラマ館”が設置され、103万人という来場者数を記録したそうです。







眞田神社の左奥には、16歳の若き真田幸村公の銅像が建っています。なんとこの銅像のモデルは、「おもてなし武将隊」の真田幸村さんだそうです(本人談)。以前の紅葉まつりのときに撮った真田幸村さんの写真を真似て作られたのだとか。



上田についてからよく目にする六文銭のモチーフ。これは真田家の家紋で、三途の川の渡し賃(六文)に由来し、戦場で死んだ後も無事にあの世へ旅立てるようにという願いと決意が込められているそうです。

「おもてなし武将隊」真田幸村さんのガイドのおかげで上田城跡を堪能できました。ガイド中「姫」と呼ばれるのが気持ちよかったです(笑)。
DATA
上田城跡公園
住所:長野県上田市二の丸6263番地イ
HP:https://ueda-kanko.or.jp/spot/uedajoseki_park/
アクセス:JR上田駅より徒歩で約12分
城下町ストリートで信州味噌ラーメンを食す
お次は上田城跡公園から徒歩約10分ほどの場所にある「柳町」に向かいます。柳町は、古くからの城下町の風情を残した、信州上田の名物・銘品を扱う店舗が並ぶストリートです。こちらでお昼ご飯としましょう。


ここ柳町で、上田城下町観光協会の事務局長である池松勇樹さんが店主を務める「柳町食堂」と「柳町屋Co.LABO.shop」を訪れました。上田の観光ブランディングに深く関わってきた池松さんの熱意は自らが開発するメニューにも反映されています。
柳町食堂では、地元の食材を活かした「信州味噌中華そば」(1000円)や「信州味噌ヒレカツ丼」(1350円)が看板メニュー。どちらかに決められず、両方食べられる、「信州味噌中華そば」と「ハーフ味噌カツ丼」のセットにしました。これが大正解! 信州味噌中華そばは、東京で食べる味噌ラーメンよりもあっさりとして、ぺろっと食べられました。カツ丼はカツが柔らかくて、ソースが甘めでおいしかった! カツ丼が普通サイズのセットにしてもよかったかも……次回はそうします。

観光協会事務局長が開発する「りんごスイーツ」
「柳町屋Co.LABO.shop」で販売されるスイーツの主役はりんご。池松さんは、色や形が悪く市場に出しづらい規格外のりんごを「真田レッドアップル」と名付け、りんご農家を応援する活動を展開しています。最初に売り出した「アップルたまごタルト」は要冷蔵で消費期限が翌日のため、常温で持ち歩ける商品を売ってほしいというお客さんの声で「パンケーキみたいなりんごのどら焼き」「りんごの最中」「アップル焼きドーナツ」などを次々開発したのだそうです。



いちばん売れているという「パンケーキみたいなりんごのどら焼き」(350円)は、なんと水不使用! りんご果汁100%で生地を作り、砂糖の尖った甘さをまろやかにしているそう。また、甘さを引き立てるために、生地に信州味噌を練り込んでいます。味噌のまろやかな塩分がリンゴの甘さと絶妙に合うんですね。池松さんオススメの食べ方は、レンジで15〜20秒温めて、バニラアイスを添えて。実際やってみましたが、カフェで出てくるスイーツみたいでした。

池松さんのコンセプトは「お菓子屋さんではなく、りんご農家のお菓子部門」。どうりでどれを食べてもりんごをゴロッと感じるんですね!
私は普段甘いものをそれほど食べないのですが、「りんごのどら焼き」も「りんごの最中」も「アップル焼きドーナツ」も本当においしかったです。共通するのは、本当にりんごが美味しいこと。加工された不自然な甘さではなく、りんごの甘みをしっかりと感じられました。


DATA
柳町食堂
住所:長野県上田市中央4-7-30
アクセス:JR上田駅より徒歩で約18分
HP:https://www.facebook.com/events/1293795357926182/?ref=newsfeed
柳町屋[Co.LABO.shop]
HP:https://yanagimachiya.u-brand.jp/
人情味ある夜の上田「袋町」
上田が実は夜も楽しめる観光地って知ってました? かつては芸者衆もいたという「袋町(ふくろまち)」という歓楽街があり、スナックが数十店舗、軒を連ねています。今回は、ご夫婦で経営されている、オープンして45年の歴史あるスナック「アプローチ」にレッツゴー!



料金は席料3000円で、ママ手作りのおつまみ付き(ドリンクは別)。この日はグラタン、ひじきの和物、お漬物の3品でした。けっこうお腹いっぱいになります。ママはパンや蕎麦、ラーメンまで手打ちで作るほどの腕前で、ママの料理目当てで来店する常連客も多いそうです。お酒はだいたい1杯1000円ぐらいが多いとのこと。

袋町は20時オープンの店舗が多いなか、こちらは18時30分開店だそうです。1次会に、1人ご飯にも利用できそう。細い路地が入り組む地形が“袋”の名の由来とされ、現在も蔵造りの建物や古い町家が点在し、往時の面影を色濃く留めている袋町。景気が良かった時代は、仕事の後の一杯を求めてみな袋町に集まり、その賑わいは歩いていると肩がぶつかるほどだったそうです。2025年4月〜9月には袋町のスナック10店舗をお得に利用できるスナック巡りイベントを信州上田観光協会が実施。女性も男性も楽しめる上田の歓楽街、それが袋町です。

DATA
スナックアプローチ
住所:長野県上田市中央3-11-22
アクセス:JR上田駅より徒歩で約14分
昼も夜も徒歩で楽しめる幸せ
今回伺った場所はすべて徒歩で回りました。澄んだ空気を吸いながら、連なる山々を眺めつつ、駅からまっすぐ伸びる国道141号を行ったり来たり。買い物で増えた荷物を駅前のビジネスホテルにすぐ預けに戻れるのも便利でした。城下町の風情が残る柳町で買った、絶品りんごスイーツをまた食べたい。

































